palm 3 【2】 ページ20
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「はぁー?何かバカみてー。すっぴん見て冷めるんなら、最初からAのこと好きじゃねーじゃんソイツ」
結局私の部屋に居座るこのクソガキに、なんだかんだ話している自分にいささかほぞを噛む。
「あんたみたいなガキには分かんないでしょ」
「ふぅーん…、大人って面倒くせーのな」
そうなの
面倒くさいの
でもしょうがないじゃない
傷ついたとき、どれだけ痛いか
もう知ってるんだもん
「でもさぁー、そんなくっだらねぇことで悩むような恋愛しかできねーなら、俺はガキのままでいーや」
何?
ちょっと今、
きゅんとしたし
" どんなAも好きだよ "
ちゃんと入っているのかな?
亮介の言う"どんなA"には、
すっぴんが赤子のようなAも、、、
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大きなカバンを開けることなく放り投げると、豪快にベッドへダイブした。
惨敗だ……
亮介の言葉に希望をのせ、挑んだ初めての一泊旅行。
温泉に浸かり、染まる頬に髪をあげ、後れ毛揺らし浴衣姿で現れた私を見た亮介は、分かりやすく困惑していた。
そうして、やっとのことで彼が発した言葉は
" あ、何かごめん、、、姪っ子に似てて "
手も繋がず、泣き声を噛み殺し過ごした宿での夜は、エルム街より悪夢だった。
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たかだか箱根の一泊旅行で壊れるなんて、成田離婚より虚しさが増す。
このまま歳をとったら、私はいったいどうなるんだろう。
幼い顔にシワができて、
幼い顔にシミができて、
幼い顔に白髪頭が乗っていて、
そうやって、少しづつ奇妙な風貌に変化していくのだろうか。
童顔美人の女優さんと童顔一般人の私では
やっぱりいろいろと違うんだろうな……
" 俺はガキのままでいーや "
ニカの言葉が胸にしみる。
できることなら私も
いつまでもガキのままでいたかったよ
「おっ邪魔しまーっす!!」
傷ついた心を癒すため、眠りにつこうとしていた時、これでもかってほど大きな声が部屋に突撃してきた。
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作者名:ななは | 作成日時:2018年7月28日 1時