1. 女の子 ページ3
塁side
「塁、帰るよー！」
真子の大きな声がリンクに響いた。
「俺、もうちょっと練習してから帰る！」
「分かった！じゃあね！」
「また、明日。」
真子とかすみちゃんが帰っていった。
「はぁー。」
俺は真子とかすみちゃんに嘘をついてしまった。本当は練習したいんじゃなくて、一人になりたかったんだ。
俺は失恋した。かすみちゃんのことが好きだったんだけど、かすみちゃんはたぶん、いや絶対瀬賀のことが好きだ。好きな子の恋愛はやっぱりうまくいってほしいと思ってしまう。だから俺は、かすみちゃんから手をひいた。
「頭、冷やそ。」
スケート靴をスニーカーに履き替えて外に出た。
『グスッ、グスッ。』
ん？小さな声だけど、泣き声がする。声の方に行ってみると、女の子が一人で泣いている。
「君、どうしたの？」
声をかけるとその子はビクッとしたけど、顔をあげてくれた。目のまわりは赤く腫れていて、長い時間泣いていたのが分かる。
『・・・実は今日、お父さんとお母さんが交通事故で亡くなっちゃって。親戚の人たちも誰も私をひきとってくれなくて、葬式会場を飛び出してきたの・・・。』
「そっか・・・。」
『何か、話聞いてもらっちゃってごめんね。すっきりしたよ。ありがとう。私は、宮沢りな。』
「俺は、水島塁。」
『塁くんっていうんだね。名前、覚えとくよ。じゃあね。』
「ちょ、ちょっと待って！」
俺はりなちゃんの手を掴んだ。
『え？』
「俺の家にこれば？うちもお母さん居なくて、部屋空いてるんだ。」
『で、でも。迷惑じゃないの？私なんかが行って。』
「全然！逆に一人でいるりなちゃんの方が心配で、放っておけないよ。」
『る、塁くん、ありがとう。本当にありがとう。』
そう言って、りなちゃんはまた泣いてしまった。
「わ、わあっ！泣かないでりなちゃん！」
俺は、服の袖で涙を拭いてあげた。
『ありがとう、塁くん。優しいんだね。』
りなちゃんは初めて笑顔をみせてくれた。泣いている時とのギャップが激しくて、俺は初めてりなちゃんがかわいいと思ってしまった。
「じゃあ、荷物取ってくるからちょっと待ってて！」
俺は、赤くなっているのをみせたくなくて、急いでスケートリンクに戻った。
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？かなかな(プロフ) - 面白かったです！これからも期待しています！ (2021年12月22日 17時) (
レス) @page11 id: d59fc0899f (このIDを非表示/違反報告)
ドリー(プロフ) - 二次創作の作成ですよね？オリジナルフラグを外して下さい！ (2018年1月3日 13時) (レス) id: 5e3261a1cb (このIDを非表示/違反報告)
らいち(プロフ) - コメント失礼します。オリジナルフラグ外して下さいね。実在する作品を使用するだけで、オリジナル作品ではなくなります。 (2018年1月3日 10時) (レス) id: 811908695b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇治抹茶 | 作成日時：2018年1月3日 9時
