Raptor【WT】

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｢運だなって感じですね｣





今回の試合のうちで何度か瀬鳴は声を出して笑っていた

それはあまりにも無謀すぎる作戦と玉狛第二ならではの動きが瀬鳴のツボにハマったからだ

だがこのランク戦を見ていての感想

それは｢面白い試合｣ ただそれだけだ





｢東岸で玉狛が生き残れたのは実力というよりはただの運だと思います｣

｢運ですか？ですが実際玉狛は狙い通りに生存点を獲得していますが……｣

｢それこそ太刀川さんの言う｢結果論｣です
那須さんの気まぐれ次第で三雲くんはもっと早く死んでいたでしょうから｣




作戦が渋かろうが砲撃が派手だろうが三雲と雨取は実際のところ一人も落とせていない

たまたま鈴鳴のおこぼれをもらっただけだ





｢三雲くんは賢くて発想が豊かだけど戦術と戦闘どっちもできる人には勝てないだろうなって｣

｢お前珍しくズバズバ言うな〜
いつものふわふわな瀬鳴はどこ行ったんだよ｣

｢そう言う太刀川さんこそ玉狛を評価してますけど玉狛第二が太刀川隊に勝てると思いますか？｣

｢まさか 流石にそれはないな｣

｢そういうことでーす！｣





確かに雨取の火力は侮れない

その気になれば狙撃以外もできる可能性がある


しかし瀬鳴は今回の試合を見て確信した

雨取は人が撃てない

いくら威力があってもやれるのは土木工事だけだ






｢でも私好きですよ 三雲くんの戦術｣

｢おっ！瀬鳴ちゃん見る目あるね〜｣






全体的な解説と振り返りを終え本格的に今回のランク戦は幕を閉じた




正直迅はかなり驚いていた

太刀川が言っていたように今日の瀬鳴はやけに鋭い発言が多く見られたからだ

瀬鳴と言えば掴みどころのない性格の持ち主

以前もランク戦の解説をしていたことがあったがここまではっきりと自身の意見を述べたことはない

良かったところは褒めて直すべきところはオブラートに指摘するといったものだ



前々から薄らと感じていた違和感が確信を持ち始めている

二宮隊のランク戦ROUND2の試合で瀬鳴は以前とは違い積極的な攻撃をしていた

売られた喧嘩は買うが自分から喧嘩は売らないのが瀬鳴の基本スタイル

それが前回のランク戦では瀬鳴が真っ先に火蓋を切る立ち回りをしていた






｢こりゃあ大変なことになったな〜｣






瀬鳴が本気を出し始めた

今まで手を抜いていたと言われるとそれは違う

だが確実に瀬鳴が変わってきている

B級ランク戦 当然の事ながらやはり二宮隊が最大の難関となるだろう

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