知らない間に ページ7
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知らない間に、あの子は亡くなった。
『…悠仁が、?』
伝えにきた野薔薇の辛そうな顔を見て、悪い予感がした。
辛そうに眉を顰めて、泣くまいと歯を食いしばって。必死に耐えていた。
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そんな昨日の出来事を思い出しながらAは、そしてパンダと棘は、暗い雰囲気になっている一年二人を眺めていた。
階段に腰掛けて、二人ともどこか遠くを見つめて。そんな雰囲気に真希が足音を立てて入り込んでいく。
「なんだ、いつにも増して辛気臭いなあ、恵。お通夜かよ」
『…あの子バカなの?』
「禪院先輩」
Aの小さな呟きは棘とパンダ以外に拾われることもなく。“禪院“と呼ばれた彼女は不快そうに言い返す。
「私を苗字で呼ぶんじゃねえ!」
「真希、真希!」
「今話し中だ」
「し…知らないのか?あいつらが暗いわけ」
「何のことだ?」
『え、知らないの…まじで…?』
「マジで死んでるんですよ、昨日。一年坊が1人」
「おかか!」
まるで錆びついたロボットのようにこちらを振り返る真希。
A伝えてなかったのか?汲み取ってくれたと思ってた…なんていう会話を耳にしながら、棘はそんな真希を見つめていた。
「うっ…は・や・く・言・え・や…!これじゃ私が血も涙もねえ鬼みてえだろ!」
「実際そんな感じだぞ」
「ツナマヨ」
『…いや、そんなことないっ!真希はいつでもプリティー天使だよ!!』
「Aそれ新種のイジリだろ!」
半笑いでそういうAに真希が噛みつき、A側を他の二人が後押しする。
賑やかで楽しそうな集団を見て、「A先輩以外誰?彼氏?」と野薔薇が恵に問いかけた。
「何人彼氏いんだよ…あれは2年の先輩。」
「後輩にはもっと優しく接しないと…」
「…甘やかすだけが優しさかね」
「禪院先輩。呪具の扱いなら学生一だ」
「すじこ」
「呪言師、狗巻先輩。語彙がおにぎりの具しかない」
『真希が甘やかしてるの見てみたい気もするな』
「しゃけ」
「ご存知香月先輩、魔法使い。箒も乗れる」
「でも憂太といる時は少し丸くなるよなぁ」
『ですよね〜』
「パンダ先輩。
…あと一人、乙骨先輩って唯一手放しで尊敬できる人がいるが、今海外」
「あんた、パンダをパンダで済ませる気か」
改めて見るとそれぞれキャラが濃すぎでは?
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れもん - 好きです!(ゑ)更新待ってます!! (2021年4月23日 18時) (レス) id: 46613accf8 (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - もち米の化身さん» すごく嬉しいですありがとうございます> <!飽きてなかったですか、よかったです笑 (2021年3月22日 23時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
もち米の化身 - 面白いですね!あと、飽きませんよ! (2021年3月21日 23時) (レス) id: 356bd7e73b (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - ムスメ3さん» 世界がガッツリ!ってわけではないです!呪文、出身校、家柄、両親の仕事ぐらいですかね。わかりづらかったらごめんなさい泣 (2021年2月14日 21時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 初めましてこんばんはもしかしてハリ〇タの要素あり的な感じですか? (2021年2月14日 21時) (レス) id: 43c62374c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なんなん | 作成日時:2021年2月6日 23時