信じない理由 33 ページ34
「大丈夫ッスからね〜。この人顔も喋り方も怖いッスけど、不審者じゃないんで。レオナ・キングスカラーっていうんで、気軽にレオナ先輩♡って呼んであげて」
「おいラギー」
レオナと呼ばれた人とラギーさんを交互に見る。レオナさんは相変わらず鋭い目付きで、不審者じゃないのは分かるけど怖い人なのに変わりはない。
「ふなー!オマエ!子分を怖がらせるんじゃねーんだゾ!!」
グリムがレオナさんに向かって火を吹こうとする。レオナさんの眉がピクリと動いた。おっ、怒ってる!?
「グリムだめだよ!痛いことされる!」
レオナさんにもラギーさんにも牙があるのが見えた。もし機嫌を損ねるようなことがあればガブリと丸呑みされるに違いない。ラギーさんはハイエナだと言っていたし、レオナさんも絶対肉食獣だ。ライオンとか!
グリムをぎゅっと抱き込んでレオナさんにごめんなさいと謝る。こういう時は『謝る』『全力ダッシュ』だとお姉ちゃんが言っていた。でもごめんねお姉ちゃん。謝ることは出来たけど全力ダッシュは無理そうです。レオナさんの睨みが怖くて足が動きません!
「チッ」
レオナさんは舌打ちをして顔を背けた。はあ、と深くため息を吐いてもう一度こちらを見る。少しだけ怖くない顔になった。そのままボクと同じ目線になるよう座り両手を頭がある位置まであげる。ホールドアップの姿勢だ。
「酷いことも痛いことも気持ち悪いこともしねぇ。顔は元からだから慣れろ。······これでいいか、ラギー」
「······まあ、気休め程度には」
いつの間にかラギーさんも隣に座っていて、目の端に溜まった涙を拭ってくれた。
「オレは、君を傷つけないって約束するッス。怖がらなくていいんスよ。ね?」
ラギーさんはオンボロ寮で会った時より優しくてあたたかい笑顔を浮かべてポンも頭を撫でてくれた。
「サバナクロー寮の奴らは血の気が多いのばっかッスけど、基本みんな優しいと思うッスよ。なんかされたらオレかレオナさんに言ってくださいね。この人寮長なんで」
レオナさんはサバナクローの寮長。ラギーさんもそうらしいし、獣耳の人は基本サバナクロー寮の人が多いらしい。
「もう一人ここに呼んであるんで、来るまで少し話しましょうか」
それから獣人は女性に優しいこととか、レオナさんが王子様だとかたくさん教えてもらった。
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埋夜冬(プロフ) - 茜さん» 読んでいただきありがとうございます!続編でやらせていただきますね!お待ちください! (2022年1月30日 11時) (レス) id: 71445b0c29 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 夢主のイラストを見て可愛い!と叫びそうになりました。リクエストでハーツラビュルにお茶会に呼ばれたらというのをお願いします (2022年1月30日 11時) (レス) @page40 id: 6b60f4e764 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ユノンさん» こんにちは!コメントありがとうございます!私自身イラストが描けないので、絵心のある友人に頼んでみました!11日以降にまた覗いてみてください!きっとイラストが載ってますよ! (2022年1月6日 17時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年1月6日 12時) (レス) @page3 id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 星猫さん» 嬉しいです!!ありがとうございます!!続編までいくと思いますので、どうぞよろしくお願いします!!! (2021年12月30日 14時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜 冬 | 作成日時:2021年11月21日 23時