信じない理由 34 ページ35
たまにレオナさんも反応して話していると、ラギーさんの耳がピクリと動いた。顔が植物園の入口の方を向く。
「先輩お待たせしました」
駆けてきたのは大きな男の人だ。やっぱり獣耳がついている。レオナさんほどじゃないけど、大きいからちょっと威圧感がある。
「大丈夫ッスよ、ジャックくん。はい自己紹介」
ラギーさんが立ち上がって彼の肩を下に押す。されるがままその人はボクの隣に膝をついた。
座ってもおっきい······。ボクはグリムを抱える力を少しだけ強めた。
「ジャック・ハウル。サバナクロー寮の一年生だ。その······よろしくな」
「君とはクラス違うッスけど同じ一年生なんで呼んでみたッス。オレやレオナさんの代わりになってくれると思うんで」
「ウッス」
一年生なんだ。もっと年上かと思った。怖い感じがするけど、耳のせいかな、いつもみたいに心臓がきゅってなったりしない。
「えっと、オンボロ寮に住んでます。Aです。皆から監督生って呼ばれます。こっちはグリム。その······よろしくね」
「よろしくしてやってもいいけどな、オマエ、子分を泣かせたら承知しねーんだゾ!!」
「ぐっ、グリム······っ!」
なんて事言うの!ああほら眉間のシワが深くなったぁぁ!!!怖ぃぃぃぃ!!!!
「泣かせるわけないだろ。俺たちにとって守らなきゃいけない存在だぞ、女――――――」
「あー!!!!!!!」
いきなりラギーさんが大きな声を上げたので皆がビクッと肩を揺らす。
びっっっくりしたぁ!いきなり大きな声出さないでくださいラギーさんボク死んじゃうよ!
「今日一限目から必修科目じゃないッスか!!うっわレオナさん連れてくの間に合うかな······。ジャックくん、クラスへの案内よろしくッス。オレはレオナさん連れてかなきゃなんで!!」
「わ、分かりました」
何が始まるかと思えば、いつの間にか眠っていたレオナさんを起こし、授業に行くようラギーさんが説得している。レオナさん一言も話さないけど、あれは多分狸寝入りだ。
「おい、行くぞ。授業遅れる」
「は、はい」
ボクはジャックさんについていって植物園を出た。
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埋夜冬(プロフ) - 茜さん» 読んでいただきありがとうございます!続編でやらせていただきますね!お待ちください! (2022年1月30日 11時) (レス) id: 71445b0c29 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 夢主のイラストを見て可愛い!と叫びそうになりました。リクエストでハーツラビュルにお茶会に呼ばれたらというのをお願いします (2022年1月30日 11時) (レス) @page40 id: 6b60f4e764 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ユノンさん» こんにちは!コメントありがとうございます!私自身イラストが描けないので、絵心のある友人に頼んでみました!11日以降にまた覗いてみてください!きっとイラストが載ってますよ! (2022年1月6日 17時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年1月6日 12時) (レス) @page3 id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 星猫さん» 嬉しいです!!ありがとうございます!!続編までいくと思いますので、どうぞよろしくお願いします!!! (2021年12月30日 14時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜 冬 | 作成日時:2021年11月21日 23時