医療班設立について【進撃の巨人】 (ページ6)

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調査書 NO.05 ページ6

何の気なしに外に出た私は、山の中をぶらぶらと探索していました。やることも無く遊ぶ相手もいない、仲のいい友達は2つ壁の外側にいたので、容易には会うことが出来ませんでした。

そんな時です、人の叫び声と共に聞き慣れない獣の唸り声が聞こえてきたのです。勿論怖かったですが、人が襲われてると思い、勇気をだして声の方へ向かえば、緑のマントを翻し(ひるがえし)ながら走ってくる人が見えました。
それがハンジさんでした。ハンジさんは、私を見つけると一目散にこちらにやってきてこう言いました

｢あいつを捕まえてくれ！！｣と

｢えっ、でも、アレ…狼｣
｢狼だろうがなんだろうが、巨人の研究材料の1つなんだよ！！頼む！｣

今考えたら随分年上の人が、なに何歳も年下の子供相手にお願いしてるんだって、言いたくなりますが久しぶりに人と喋れて嬉しかったせいか、持ち合わせていた弓矢で狼の動きを止めました。

｢おお、流石だね助かった！｣
｢でも、なんでこんな山の中に兵士さんが？
それより、兵士さん腕怪我してるじゃん｣
｢あぁ狼捕まえるのに必死すぎて忘れてたけど、結構傷深いなぁ…｣
｢任せて！私はお医者さんだから！｣

私は本当に嬉しくなりました。何せ、自分が得意としている分野の話にやっと巡り会えたのです
ハンジさんの腕を引いて山小屋に向かい、自慢げに手早く処置をしました。
えっへん、とでも言いたげな私に、ハンジさんは質問しました。

｢君、それよりここで1人なのかい？親御さんの姿が見当たらないが｣
｢私のお父さんとお母さんはこの間馬車に引かれて死んじゃった。だけど今は…｣

その時私は思い出しました。おじさんとおばさんにきつーく言われていた事を。

【何があってもナイトレイ家の恥になるような言動は慎むように】と

だから本当はこの時、私は引き取ってもらった親戚の人に嫌がらさをされている。と言いたかったのですが、そうすると、ナイトレイ家の恥になると、幼いながらに察知してついでまかせを言いました

｢今は優しい親戚の人に引き取られて、それで少しの間1人で暮らしたいってお願いしたの。だから今は1人なんだ｣

しかし大人には、子供の嘘なんてすぐ見抜けたようで、翌日兵団に帰っていったハンジさんの数日後に、調査兵団が山小屋にやってきました。