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始めみた時からもしかして、と感じていた。
でもまさかそんな巡り合わせは中々ないだろう。
御幸「俺、Aちゃんのことどっかで見たことある気がするんだよな」
そう思いつつも
御幸一也は自分を露骨に苦手そうに避ける気になる1年に打ち明けた。
昔、どこかであった気がする。
それに自分がよく知るアイツと似てる…
そう思ったらつい話しかけていた。
A「私は御幸先輩のこと知りませんよ、人違いですよ」
否定されているのに
でも完全否定出来てないような
モヤっとした感じ。
絶対にあるはずだ、勘でそう思って記憶を探ろうとしても上手くいかないのが現状。
御幸「ふーん、そっかぁ」
独特な距離感
それを作り出すのは
御幸が感じた懐かしさのようなそんな気持ち。
初対面からあんなに露骨に苦手意識を出されたのだ
何か過去にやらかしたか?
過去に酷い断り方した女の子か?だとか考えたが全部そうではないような…。
御幸がAを初めて見た時
ある存在が頭の中で過った
それは──
御幸「昔な、つっても俺がシニア入る前のリトル時代なんだけど」
御幸「俺のひとつ下の世代に”小さな天才捕手”って呼ばれてる女子がいた。」
グラウンドの上で
一際目立つ小さな体。
そして何より性別が他のみんなとは違う。
男子の中に混じっても埋もれない、その存在感と抜群の運動神経と実力。
直接会ったのはシニアに入ってからだが御幸はその天才と呼ばれた少女の存在を覚えていた。
御幸「何となくだけどソイツに似てるなって思っただけだよ」
顔は何となくしか覚えていない。
ただあの捕手としての力と存在は当時の御幸にはいい刺激になっていた。
そして微かに覚えていた雰囲気や目付きがAによく似ていたから
いつしかその天才なんじゃないかと思うようになっていた。
A「私のポジション、どこだか知ってます?」
少し赤みがかった毛先の髪をいじくりながら
ぽつりと言葉を返すA。
御幸「セカンドだろ?」
A「そう、だからきっと勘違いです」
あの天才も同じような目をしていた。
顔ははっきり覚えていなくても
あの闘志をむき出しにした目線だけは忘れたことがない。
御幸「さぁ、どーだかな」
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年1月22日 0時