【urt】恋する乙女は無敵なのです。【usss】

彼女の変化 ページ19

　
　
「少し離れてみたら？」




しばらくメソメソと泣いて、何があったかを話した後になるせが言った。




「つばきが離れていかないって思ってるから、付き合うとか考えた事なかったのかもよ。推してダメなら引いてみろって言うじゃん。」

「………引いても、追いかけて来てくれないかも」

「その時は………キツイこと言うけど、脈ないと思って諦めた方がいいんじゃない」




彼を好きなことを辞める、そんなの考えたこともなくて、ズキンと胸が痛んだ。

でもそうだよね。


ーーー独りよがりな想いだとしたら、いつかは終わらせなきゃいけないから。




*




それから私は、うらたさん断ちを始めた。
リプを送りたい気持ちを押し留め、綺麗な夕焼けの写真をLINEで送りつけることもせず、会えた時も他の人と同じように会話するよう意識した。


ー結果、彼以外の人からはめちゃめちゃ心配されて、本人からは特に反応なし。


私はうらたさん不足で寂しいけど、彼の方はそうじゃないみたい。




「なるせぇ、親友を慰めて、、、」

「え、親友ってドコ？」




俺見えない、と意地悪を言うなるせを半泣きで睨むと、ごめんごめんと笑いながら謝られた。もっと優しくしなさい。


今日はまふくん主催のひきフェスに歌い手としてお呼ばれした。お馴染みのメンツから普段あんまり会えない歌い手仲間までたくさん居て、ーーその中には、もちろん彼も含まれている。


チラリとうらたさんの方に視線をやると、偶然目が合った。
一瞬、こっち見てたのかな、なんて都合のいい妄想をして、そんなわけないかと自分を戒める。




「つばき久しぶりじゃーーーん」

「わっ、めいちゃん！やほやほ〜肉チョモ見てるよ〜」




まじー？偉い偉いさすがめいちゃんのこと大好きだもんね〜つばきは〜
と髪を雑にかき混ぜられる。ヘアメイク前でよかったね。てかこの子は歳下なのに遠慮ないな。


そうだよ、私の好きな人はうらたさんだけど、大好きなお友達は他にもいるんだから。



今日はせっかくなんだし、色んな人たちとお話して楽しもう。
　
　

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