デート ページ42
「それ、デートじゃない」
『デッ…デート？！』
次の土曜日に折原さんと出かける事になった旨を姉に伝えたところ、返ってきた「デート」という単語に、私の頭は真っ白になった。
「良かったわねー。遠距離なんだし、直接会える時間は大事に有意義に過ごしなさいよ？」
『う、うん…』
姉の言葉にとりあえず頷くも、頭の中は真っ白なままだ。
「集合時間とかは？」
『まだ。連絡来てない』
「じゃあその連絡が来たら、また改めて教えてね」
『うん…』
ぼーっとした頭で自室に戻り、ぱたりとベッドに倒れ込む。腕を伸ばして、枕を胸元に抱き締めた後―――
(デート！？折原さんとデート！？)
一人、無言でベッドの上でゴロゴロと転がる。嬉しさのあまりぼふぼふと枕を叩いて、気持ちを落ち着かせようとするも全く落ち着かない。
顔も気持ち悪い程にニヤニヤしている自覚がある。
『えへへへへ…幸せだなぁ』
誰に言うでもなく呟いていると、LINEの着信音が鳴った。もぞもぞと起き上がり、スマホの画面を見ると、折原さんからの新着メッセージ。
折原土曜日なんやけど、夜はどうしても外せない予定があるから、夕方まででもええ?
折原あと、Aちゃん行きたいところある?
ピコンピコン、と二回に分けてやってきたメッセージに、何と返信を打とうか迷う。
(行きたいところ…「どこでもいいです」は一番困るだろうから………)
こういう事は恥を忍んで姉に聞いた方が早いだろうと考えて、リビングへと駆け込む。
『お姉ちゃん！ヘルプ！』
「なーにー？デートにおすすめの場所でも聞きに来たの？」
『えっ！？』
「図星か」
まだ用件を口にしていないにも関わらず、ドンピシャで私の悩みを言い当てた姉に驚かされる。
「どうせ聞かれるだろうと思って、まとめておいたよ。ほら、こっちおいで」
『お姉様〜』
「それは気持ち悪い」
『え、ひどくない？！』
それから暫く冗談を言い合いながら、姉は私にデートにおすすめの場所を教えてくれた。
『あ、でもね、夜は用事があるから、夕方で解散だって』
「ふーん。なら夜景はパスね」
スマホの写真を交えながら、姉は彼氏の陸さんと行った場所の紹介をしてくれた。
「どこなら行けそう？」
『うーん…水族館か、映画かなぁ…当日晴れるか分からないから屋外は心配だし』
「良い選択じゃない？…はい、じゃあ返信打つ！」
『はい！』
姉の助言もあり、初デートは水族館に決まったのだった。
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紫苑(プロフ) - リリトさん» リリトさん、コメントありがとうございます！ そんな偶然があるんですね？！自分で名前を設定しておきながら驚きました笑 (2020年11月9日 19時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリト - 漢字は違うけど、本名同じ人おったｗｗ (2020年10月22日 17時) (レス) id: 5c9bfe90e0 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ひよりんさん» こんばんは。メッセージを返信させて頂きましたので、ご確認頂ければ幸いです。 (2020年8月22日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - こんにちは。メッセージ送らせていただいたので、見ていただければ幸いです。 (2020年8月21日 21時) (レス) id: 222226e292 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - センラさん推しさん» センラさん推しさん、コメントありがとうございます！ 神様だなんて畏れ多いです…！ですがありがとうございます、嬉しいです。 これからも頑張りますね！ (2020年3月18日 22時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年11月1日 18時
