見栄（センラside） ページ21
あらかじめ調べておいた居酒屋の近くコインパーキングに向かい、車の鍵をスマホを使って開けた。
東京に頻繁に来る俺にとっては、レンタカーよりこちらのカーシェアリングの方が都合が良く、よく使わせてもらっている。
「これが折原さんの車…」
『まあ、僕の車じゃないんですけどね？』
車を見たAちゃんが思わず、といった様子で呟いたのに対して、僕はすぐに否定に入る。
名古屋にいる僕の愛車はこれよりももっとええ車やし、勘違いしないでほしいと思って、つい言ってしもうた。けど、よく考えたら車に興味を持っていない子だったら気にしないのでは？と思い至る。
『え、そうなんですか…？』
「いわゆるカーシェアリング、っていうやつやな」
『あ、名前は聞いた事あります』
「よう知っとるなあ。偉い偉い」
案の定、首を傾げるAちゃん。自分の先走った考えが恥ずかしくなって、彼女の頭を撫でて誤魔化そうとした。
さっきみたいに照れてくれるかと思いきや、少し不満そうな顔をされて、内心焦る。それでもそんな不安を感じさせないように振る舞って、Aちゃんを助手席に誘導した。
「Aちゃん」
『は、はい！』
「そんな緊張せえへんでも大丈夫ですよ。お家、どこら辺？」
助手席に座ったAちゃんは借りてきた猫のように大人しかった。声を掛けたら、ビクリという効果音が聞こえそうな程に肩を揺らし、声を上擦らせて返事をされた。
(もしかして警戒されとる…？)
ここにきてガチガチに緊張されるとは思わず、内心首を傾げる。
心に燻る下心は見せず、なるべくスマートに、紳士的に対応してきたはずだが、やはりバレてしまったのだろうか。
そんな事を考えながら、カーナビを操作していたら、見覚えのある地名が映し出された。
『Aちゃんのお家の近所に、僕の友達も住んでるんですよ』
Aちゃんのお家は坂田の家の近所やった。これ、徒歩10分圏内じゃないだろうか。
(今日、志麻君の家泊まるのやめて、坂田の家に泊めさせてもらおうかな。…流石にそれは志麻君に失礼やな)
そんなくだらない事を考えながら、俺はいつもより丁寧に車を発進させるのだった。
＊＊＊＊＊
カーシェアリングとかレンタカーについてはテキトーです。間違ってても目を瞑って下さい
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紫苑(プロフ) - リリトさん» リリトさん、コメントありがとうございます！ そんな偶然があるんですね？！自分で名前を設定しておきながら驚きました笑 (2020年11月9日 19時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリト - 漢字は違うけど、本名同じ人おったｗｗ (2020年10月22日 17時) (レス) id: 5c9bfe90e0 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ひよりんさん» こんばんは。メッセージを返信させて頂きましたので、ご確認頂ければ幸いです。 (2020年8月22日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - こんにちは。メッセージ送らせていただいたので、見ていただければ幸いです。 (2020年8月21日 21時) (レス) id: 222226e292 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - センラさん推しさん» センラさん推しさん、コメントありがとうございます！ 神様だなんて畏れ多いです…！ですがありがとうございます、嬉しいです。 これからも頑張りますね！ (2020年3月18日 22時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年11月1日 18時
