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王様と番犬 四戦目 ページ24

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 もちろん同調とは、そうそうほいほいとできるものではない――少なくとも、「俺たちもやろうか」で習得できたら、誰も苦労なんてしていない。だからこそそれは大きな武器になり、大きな脅威となる。
 だがしかし、幸村精市という男は、できもしないことを言うような不誠実な男ではないのだった。――AAにとっては不運なことに、かもしれなかった。


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 ここからは後半戦、お互いに攻撃を仕掛けて、戦況が大きく動く頃合いだ。勿論お互いがそれを警戒していて、だからこそ熾烈な争いが繰り広げられる。
 幸村は上機嫌に、対してAは不機嫌そうに顔を顰めて、彼らはコートに戻ってきた。

「気をつけろ英二。なにかするつもりだ」
「……うん」

 注意深く言う黄金ペアたちの目線の先で、幸村とAはコートに入る。幸村がサーブのターンとなるから、彼は一歩下がってボールをトン、トン、と地面について感覚を確かめ始める。Aはというと、自陣の中央からややネット寄りに、だらりと脱力したように佇んでいた。

「……?」

 その姿に少しの違和を覚えるふたりだが、それが実体を結ぶ前に、コールが入る。後半戦の開始だ。心配することはない、その違和感の正体は、すぐに知れることとなる。


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角砂糖(プロフ) - 美琴さん» ありがとうございます!!(大声) (2020年3月11日 19時) (レス) id: 651af228bd (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - 好きです(突然の告白) (2020年3月9日 20時) (レス) id: 0419c563a9 (このIDを非表示/違反報告)
角砂糖(プロフ) - 蘇芳さん» この作品を愛していただき本当にありがとうございます。この話の続編は、今の所はあまり考えていません。今非常に私生活が忙しく、それが一段落したら何か書きたいなとは思っていますので、いつになるかわかりませんが、もし気が向けばお付き合いいただけると幸いです。 (2020年1月30日 4時) (レス) id: 651af228bd (このIDを非表示/違反報告)
蘇芳(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました!もしもあるのなら続編楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2020年1月24日 20時) (レス) id: ec6c109e68 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - 角砂糖さん» そうです!覚えていてもらえて嬉しいです!!予定があるかはわかりませんが次の作品をお待ちしてます! (2019年11月20日 1時) (レス) id: f631e9f6d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:角砂糖 | 作成日時:2019年3月18日 21時

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