*ただのリスナーに ページ13
.
笑う必要はないと思う。ほんとに。確信犯センラさん!!
コメント欄には誰か笑った?とかセンラさんだよね!など。
「おい、誰か笑ったな」
「え、誰なんですか」
「センラ!!お前だろ!!」
4人の掛け合いがなんだか面白くて思わず笑ってしまう。
けれどふとした瞬間に心が虚しくなる。
きっと分かっているのだろう。この質問が貴方たちのことを指していることを。
でも分かっているからこそ何も触れないのだろうか。
この子は俺たちのリスナーで俺たちの友だち、って言ってくれるはずないのに。
それを期待してしまう私はやっぱり欲しがりなんだ。会った後からで 未だに連絡すら出来ないのに。しようと思っても何か邪魔してその何かを理由にして逃げているくせに。
その後、4人が質問に答えてくれたけど耳から耳へ通り抜けてしまって。内容なんか入ってこなかった。
これが嬉しいから舞い上がって入ってこないのか自分に嫌気が刺してそのことばかり考えてしまって入ってこないのかは一目瞭然だなぁ。
いつの間にか無音を流すイヤホン。増えるお疲れ様の声。ありがとう、大好きの音。
皆、愛を伝えている。
私も一応、一応だけど。このアカウントが見られるかすらも分からないけれど。
「ありがとうございました。また愛に行きますね。大好きです。大好きです」
ネガティブキャンペーンは終わりにしよう。
彼らのことが大好きだからこそ会って話したからこそ悲観的な考え方は止めよう。
「……大好きだから」
だから、欲しがりな私はダメだ。
リスナーとしてもっとライブ行ったり積んだりしよう。例えそれが自己満足だとしてもだ。
欲しがりじゃなくてひたむきに。
1人のリスナー、として『もっと』彼らに見てもらうために。
「連絡先…うん…うーん…」
消そうか迷った。
「ちょっとだけ優越感味わってもいいよね」
私はただのリスナーだってことを忘れない。志乃里が会わせてくれただけのリスナー。
それを忘れないからさ。
ちょっとだけ連絡先を持っている嬉しさを味わってもいいよね?
「どうせ私が連絡することなんてないし」
逆の考え方はなぜだかしなかった。
.
志麻さんから1件のメッセージがあります。
353人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くりぬこ - お話とても楽しく読まさせて頂きました!!こんな事が現実になればどれほど嬉しいことか…まあないですけどね(笑)これからも更新楽しみにしています! (2019年3月28日 16時) (レス) id: 8b048cd6e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ