99話 ページ49
幸いフレッドとジョージの曲芸が盛り上がっていたおかげで、ハーマイオニーの声にみんなは気づいていないようだった。
『でもハーマイオニー、少しでも息抜きした方がいいよ』
同じようにこっそりと抜け出してきたAが心配そうにハーマイオニーを見ている。
ハーマイオニーはもう限界を越しているのだ。
昔のハーマイオニーは上から目線な物言いをすることがあっても、心配してくれる人に怒って声をあげるようなことは無かった。
「……どっちにしろ、あの人が私に来て欲しくないでしょ」
『それは……』
ハーマイオニーの言葉は、双子の曲芸を見て笑っていたロンにも聞こえたようだ。
はあ、とわざとらしくため息をついた。
「スキャバーズが食われちゃってなければなぁ。ハエ型ヌガーが貰えたのに。あいつ、これが好物だった──」
聞こえるようにロンが言って、ハーマイオニーはついにワッ、と泣き出した。
ハリーがおろおろと何も出来ないうちにハーマイオニーは分厚い本を抱えて女子寮の階段の方へ走っていって、慌ててAも追いかけていった。
残されたのは、ハリーとロンだけだ。
「……もう許してあげたら？」
「だめだ」
ロンはキッパリと言った。
「あいつがごめんねっていう態度ならいいよ──でもハーマイオニーのことだもの。自分が悪いって絶対認めないだろうよ。あいつったら、スキャバーズが休暇でいなくなったみたいな、未だにそういう態度なんだ」
「だけどロン、君がずっと怒ったままだとAも悲しそうで、僕もう見てられない」
どうしてくれるんだ？とでも言いたげな目つきのハリーに、ロンはなんとも言えない顔をした。
パーティーがついに終わったのは深夜一時。
部屋着姿のマクゴナガルが談話室に入ってきて、もう全員寝なさいと怒号を飛ばした。
しかし生徒全員が部屋に戻って眠りについた時、予想だにしないハプニングが起きた。
深夜、ベッドにいたロンが叫び声を上げた。ハリーが飛び起きてランプをつけると、ロンは恐怖で引き攣った顔で「シリウス・ブラックに襲われた」と言ったのだ。
ナイフを持っていたというロンの言葉通りロンのベッドのカーテンが切り裂かれていたけど、それだけではにわかに信じ難い。
合言葉を知らないシリウス・ブラックが、肖像画の穴を通れるわけが無いのだ。
『ロン、ほんとに夢じゃなかった？』
女子寮からガウンを引っ掛けてあくびをしながら階段を降りてきたAが、ロンを見据えて言った。
「ほんとだってば。ブラックを見たんだ!」
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とま(プロフ) - ばるるさん» ばるるさん!コメントありがとうございます!!長くなりそうですが、地道に読んでくださると嬉しいです❕更新頑張ります❕😖 (2022年4月18日 23時) (
レス) id: 9bd2711725 (このIDを非表示/違反報告)
ばるる(プロフ) - この作品の1からここまで一気に読み進めてきました！とても読みやすくて面白いです(*^^*)体調にお気をつけてこれからも頑張ってください！o(^-^)o続き楽しみにしてます♡ (2022年4月18日 23時) (レス) @page31 id: f29cd1f82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年3月29日 23時
