92話 ページ42
『きゃー!ハリー、すごい!!』
箒に乗りながらパチパチと拍手するAを筆頭に、チーム全体が歓声を上げた。
練習はこれまでで最高の出来だった。
ファイアボルトがチームにあるというだけで、みんなの意気は上がり、それぞれ完璧な動きを見せた。
地上に下りてチームでまとまった時も、ウッドは一言も文句をつけなかった。ちなみに、こんなことは前代未聞だ。
「ただしA、くれぐれも、はしゃぎすぎるなよ」
『大丈夫!私、100点入れる予定だから!!明日は、当たるところ敵なしよ!!』
「それからハリー、ディメンター問題は解決済みだろうな?」
「うん」
「ディメンターはもう現れっこないよ、オリバー。ダンブルドアがカンカンになるからね」
「まあ、そう願いたいもんだ」
自信たっぷりのフレッドにウッドが言った。
「とにかく──上出来だ、諸君。塔に戻るぞ──早く寝よう」
「僕、もう少し残るよ。ロンがファイアボルトを試したがってるから」
ハリーはウッドにそう断り、ロッカールームに他の選手が引っ込んだ後観客席のロンの元に向かった。
*
翌朝、ハリーが寮生に囲まれながら朝食に下りていくと、スリザリンチームが雷に打たれたような顔をしてハリーを見た。
「ヤツの顔を見た?信じられないって顔だ!すっごいよ!」
『ハリー、おはよう!お腹すいてる?今日はいっぱい食べなきゃ!』
ハリーが席に着くと、隣に相変わらず快活なAが座ってすぐさまトーストを頬張った。
彼女のふわふわの髪が、頭の高い位置でキュッとひとつに結ばれている。
クィディッチの試合の時にAが決まってするこのポニーテールは、密かにハリーのお気に入りの髪型だ。
チラチラとAを見て可愛い、と噛み締めながら、ハリーもトーストに手を伸ばす。
「その箒、乗りこなす自信があるのかい、ポッター?」
気取った声。マルフォイだ。
「ああ、そう思うよ」
「特殊機能がたくさんあるんだろう?パラシュートがついてないのが残念だなぁ──」
『どうして?』
ハリーの横のAを見るなり、ドラコはさらに気取った声で薄青い目を細めた。
「でないとポッターのせいでまた君まで箒から落ちることになるからね。ディメンターが側に来た時のためさ」
クラッブとゴイルが後ろで笑ったのを見て、言い返そうとしたAより先にハリーが口を開いた。
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とま(プロフ) - ばるるさん» ばるるさん!コメントありがとうございます!!長くなりそうですが、地道に読んでくださると嬉しいです❕更新頑張ります❕😖 (2022年4月18日 23時) (レス) id: 9bd2711725 (このIDを非表示/違反報告)
ばるる(プロフ) - この作品の1からここまで一気に読み進めてきました!とても読みやすくて面白いです(*^^*)体調にお気をつけてこれからも頑張ってください!o(^-^)o続き楽しみにしてます♡ (2022年4月18日 23時) (レス) @page31 id: f29cd1f82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とま x他1人 | 作成日時:2022年3月29日 23時