53話 ページ3
そんなあ!!と声を上げるAに反して、クラスは恐ろしく静かだ。
当たり前である。あの楽しいルーピン先生の授業かと思っていたら、グリフィンドールの天敵スネイプ先生が代わりに来たのだから。
和気あいあいと談笑していた教室に、ピンと空気が張りつめた。
しばらくして扉が勢いよく開いて、今度はハリーが飛び込んできた。
「遅れてすみません。ルーピン先生、僕──」
そこまで言って、教壇にいる先生を見た瞬間ハリーはピタッと静止した。
当たり前だ。ルーピン先生かと思ったらスネイプ先生なのだから。
「授業は10分前には始まったぞ、ポッター。であるからグリフィンドールは10点減点とする。座れ」
「あの、ルーピン先生は……？」
「座れと言ったはずだが？その質問には既にミス・シャフィックに答えた」
ハリーが教室の中からAを探すと、彼女はハリーに手招きしていた。
小走りでAのそばに寄ると、Aは悲しそうな顔でハリーの手を両手で握った。
「えっ……ど、どうしたのA」
『あのね、ルーピン先生深刻なご病気なの……!!』
「馬鹿者。気分が悪いと言ったんだ」
しくしくと泣くAに握られた手をぎゅっと握り返して、スネイプに鋭く睨む。
「どうなさったのですか？」
スネイプはぎらりと暗い目を光らせたが、号泣するAの手前あまり強く言えずに、グッと唇をつぐんだ後ゆっくりと言った。
「……命に別状は無い」
別状があればいいのにとでも言いたげだ。
「ほら、A大丈夫。ルーピン先生は大丈夫だよ」
ハリーが宥めるように言うと、Aは少し落ち着いたように鼻をすすった。
「グリフィンドール、さらに5点減点。もう一度我輩に"座れ"と言わせたら、50点減点する」
相変わらず容赦ないスネイプ先生をひと睨みくらいしたかったけど、これ以上点を減らすわけにはいかない。
まだズビズビと鼻をすするAの隣に座ると、スネイプはクラスを見回し授業の内容を話し出した。
内容といっても、ほぼルーピン先生の嫌味だけど。
『ハリー、どうして遅刻しちゃったの？』
Aが教科書を立ててコソッと聞いてきた。
「(それ絶対バレてるよ、A)」
でもスネイプはAに怒らない。いや、怒るけど。ハリーに対するそれとは明らかに違う。
それは、彼女の両親がスネイプと親しかったことと関係があるだろうとルーピンが前に言っていた。
"アーシェはスリザリン生にも変わらない態度で接していた"と。
血も涙もない奴だと思ってたけど、スネイプも心のある人だったというわけだ。
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とま(プロフ) - ばるるさん» ばるるさん!コメントありがとうございます!!長くなりそうですが、地道に読んでくださると嬉しいです❕更新頑張ります❕😖 (2022年4月18日 23時) (
レス) id: 9bd2711725 (このIDを非表示/違反報告)
ばるる(プロフ) - この作品の1からここまで一気に読み進めてきました！とても読みやすくて面白いです(*^^*)体調にお気をつけてこれからも頑張ってください！o(^-^)o続き楽しみにしてます♡ (2022年4月18日 23時) (レス) @page31 id: f29cd1f82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とま x他1人 | 作成日時：2022年3月29日 23時
