ページ ページ2
「あっ！ A！」
今帰るところなの？ 愛くるしく首を傾げたわたしの盟友──のはらリンは一緒に帰ろうよ！ とこれまた可愛くお誘いしてくるのでわたしの心は揺らぎそうになる。だって、目の前にこんなにも愛おしい花が咲いているんだもの。
「そ、ソダネ〜。か、帰ろっか〜」
「なんでぎこちないの」
軽やかに笑ったリンとは正反対に、わたしは引き笑いをした。……背後におそろしい気配を感じたからだ。
「あ！ カカシ！ 今からAと帰るところなの。カカシも一緒にどう？」
ああ、なんて残酷な通告をするの盟友！！ わたしはまた頭を抱えて、それに倣うようにカカシもまた別の意味で頭を抱えた。それはそうでしょうねと何もかもをお察しのわたしとは違って、リンは首を疑問に任せている。
「ご、ごめんねリン。わたし、実はカカシから逃げてて──もがっ」
「リン。悪いけどこいつ借りていくから」
「えっ？ ……あ、うん！」
いってらっしゃい！ と大きく腕を振りかぶるリンはいつもなら天使だが、今は真逆に感じてしまって目を瞑った。あんな可愛らしい悪魔がいてたまるか。わたしはリンの何もかもを抱擁したくなった。
「で、えーと、はたけカカシ」
「その呼び方やめて」
「アッうん。……はたけくん」
「……なに」
なにってなに！？ 今の間もなに！？ わたし全然この人のこと読めない。
「きょ、今日って、なん、なにをするんデショウカ」
勇気を振り絞って訊いてみる。しかし、そんな心を踏みつけるようにはたけくんは表情を変えることなく「ナイショ」と吐き捨てた。
(え、えぇ〜？？)
連なる困惑。脇下に抱えられて誘拐まがいなことをされたことにも驚いたのに、ここにきて“ナイショ”？ ど、どんなおそろしい仕打ちがまってるの。
(というか、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：透桜子 | 作成日時：2022年8月3日 21時
