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インフルエンザ四日目。ついに熱が37度ぴったりになった。他に辛い症状はなく、熱が下がってあと二日経てば学校に行ける。
喜びで勉強道具を机の上に並べていたら加賀さんに見つかり、あえなく布団へと戻された。熱が下がるまでは勉強も駄目らしい。勉強は私にとって趣味なので、特に負担がかかるわけではないのだが、どうしても心配だそうだ。
とはいえ、電話ができるくらいには回復していると部活の皆さんには伝わっている。二人のお守りで苛立ちが限界に達したらしい月島くんが、とうとう私にヘルプコールをかけてきた。
「はい、お電話承りました。神風です」
『月島だけど……まさか、いつもそう言って出てるの、君』
ドン引きの声で言われるので、そうだよ、と肯定する。今度は「うわあ」と声が出ていた。癖みたいなものだから許して欲しい。影山くんからの電話を出る時もこうだから、早々直らない。
ということで、電話で彼らの面倒を見ることになった。勿論加賀さんに勉強を禁止されているので、数学は暗算ですることにした。時間がかかるかも、というと、
『高校の問題を暗算でやるのおかしいから』
と反論されてしまった。
現段階だと日向くんの方が出来ているらしいので、私の担当は影山くんになった。そうでなくても月島くんは影山くんを教えたくないみたいなので、まあそうだろうなと分かっていた。
それであれば影山くんの携帯に繋いだ方がいいだろう、ということで、影山くんの携帯にかけ直す。すぐに出るなり、ここが分からない、とすぐに本題に入った。
「問題集31ページ、上から四問目は多分出ると思うよ。わざわざ先生が授業中に言っていたから、可能性は高いかも」
『待て、どこって言った』
「問題集31ページの……上から四問目。ごめんね、その一ページ前に新出漢字の問題があるから、全部覚えてね」
『……分かった』
「中学の頃も出来たんだから、大丈夫だよ。頑張って」
影山くんを励ましつつ、テストに出そうなところは日向くんにも共有してもらう。教科書や問題集を今開いておらず、さらに熱もまだあるから記憶に少し不安があったが、私の記憶はそう簡単に崩れないという自負がある。
「文章から抜粋してって言ったでしょう」
『抜粋……』
「教科書、ちゃんと読んでね。『わたし』は何を思っていたのか、分かりやすく書いてあるから」
つらつらと教科書に書いてある文章を暗唱すると、
『暗記してるの、君……』
と、月島くんに更に引かれてしまった。
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ReG(プロフ) - なこさん» 閲覧して頂きありがとうございます。今後も読んでくだされば幸いです。 (2022年4月18日 14時) (
レス) id: d40d8fc65b (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - とてもおもしろくてすいすい読めて読み応えがあります(^-^)/ 更新楽しみにしております(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)” (2022年4月2日 19時) (レス) @page22 id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ReG | 作成日時：2022年3月22日 15時
