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紅葉が6枚 ページ8

美風side


今朝、優羽が出発した。
イナズマキャラバンに乗って。


千里「優羽ちゃん、大丈夫かな・・・」

幸大「どうだろうな・・・」


紅葉丘学園サッカー部の部員、千里と幸大の会話が耳に入る。
千里は部室の窓から外を眺め、幸大は本を読んでいる。


華蓮「でも、今日から優羽さんがいないなんて、少し寂しいですね・・・」

想助「お前の場合、「少し」じゃなくて「かなり」だけどな」

華蓮「なっ!あんただって、本当は結構寂しがってんじゃないの?」

想助「べっ別に俺は寂しくなんかねーし!!」

華蓮「何嘘ついてんのよ!いつもあんだけ優羽さんについてまわってる癖に!」


部室の掃除をしていた1年の華蓮と想助も会話に混ざり始めた。
と思ったら喧嘩を始めた。


翔「こら二人とも・・・喧嘩してる暇があるなら掃除をしろ」


キャプテンの翔が落ち着いて二人を宥める。


千里「・・・私、やっぱり心配だなぁ・・・」

翔「千里、心配する気持ちは分かるが・・・もう少しあいつを信じてやれよ」

千里「翔ちゃん・・・」

幸大「でもよ翔、優羽の心の傷が浅くないって事はお前もよく知ってるだろ?」


本を読む手を止めて幸大が訴えるように翔に質問を投げかける。


翔「あぁ、勿論知ってるさ・・・・・でもだからこそ、監督は優羽をイナズマキャラバンに参加させたんだろ?」


翔は確信を持った瞳を私に向けた。

壁に掛けてある"写真"を眺めていた私は彼らに振り返った。
ため息を1つ吐いて、今朝からずっとザワついている自分の心を落ち着かせた。


美風「翔の言う通りだ・・・しかし、あいつの傷が治るかどうかは正直私にも分からない・・・」


目を瞑って優羽の顔を思い浮かべる。
常に笑顔を絶やさない優羽。
そんな姿を見ていると胸が痛んでならないんだ。


美風「全ては雷門イレブンしだいという事だ」









私の後ろにある"写真"には___の隣で笑っている優羽の姿が写っていた。

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作者名:和丸 | 作成日時:2019年5月2日 1時

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