味方 ページ39
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そう言えばその時、リヴァイから突然、「…お前、Aとは親しいのか?」と質問されたことを思い出す。
咄嗟に「訓練兵団に所属されていたときに、よく立体起動とかを教えてもらったりしてました」と答えたら、リヴァイは「…ほぅ…、そうか」と言ったきりだった。
エレンとしては、リヴァイとAの関係も気になってはいたが、とても聞ける雰囲気でもなく……。
噂通りであれば、二人は恋人だ……
そう言えば、Aさんが熱中症で倒れた時、兵長が会いにやってきて、医務室でバッタリなんて事があったな……なんて、そんなことも頭を過ぎったが、それについてもとても質問できる勇気がなかった。
「……ねぇ、エレン」
気づくと、Aがエレンの顔を覗き込んでいた。
「は、はい!」
「…兵長のこと、もしかして怖い?」
「ええ!?」
Aの問いに、エレンはあからさまに戸惑った表情をした。
「…えと、…その、ちょっと怖い…です、かね」
「…だよね。酷い目に遭わされた後だし。…確かに兵長は近寄り難い印象もあるけど、でも本当は優しくて、とても部下思いな人だよ」
そう言って、Aが笑って見せる。
「そ、そうなんですか…?」
「うん。そのうちわかると思うよ。…って、私も最初は兵長のこと苦手だったけどね」
「…最初って、…兵団に入った頃のことですか?」
エレンはAが地下街出身であることは知っていたが、詳しい経緯についてはまだ聞いたことがなかった。
「そうそう。…まあ、いろいろあってね」
「いろいろ……?」
「…そう、いろいろ」
そう言って懐かしそうに少し視線を上げる。
その表情がすごく優しくて、それを見たエレンは少しだけ胸がチクリとした。
自分には入りこむことのできない、何かがあるような気がして……
「でも、本当にエレンが調査兵団に入れてよかった!何かあったら私に何でも言ってね。私は何があってもエレンの味方だからね」
「…あ、はい!ありがとうございます!…嬉しいです」
でも…と、エレンは少し言いにくそうに言葉を続けた。
「…その、Aさんは、…俺のこと、怖くないんですか?」
Aは少しだけエレンを睨むと、エレンの頬を軽くつねってみせた。
「…今度、またそんなこと言ったら本当に怒るからね。そんなこと思ってない。…エレンは私の大事な友達だよ。エレンのことは私が守るから」
「…Aさん……」
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沙羅(プロフ) - 罍罍さん» 通知が来てなくて、つい今しがた気づきました!!(泣)遅くなってしまい申し訳ありません!長い作品を読んで下さり本当にありがとうございます!エロカッコいい(//▽//)そんな兵長が大好きすぎます(笑)応援ありがとうございます!今後も精一杯頑張ります! (2018年3月1日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
罍罍 - 今、最初から全部読んでます!ヤバイ!!!!!兵長がエロかっこいいです(//∇//)!これからも頑張ってください! (2017年12月31日 16時) (レス) id: 4203201650 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» りあさん!こんばんは!なんと通知が来ておらず、今頃コメントに気づきました〜(T□T)もう一ヶ月も前ですね!?レス遅くなってすみません!この作品を読んで下さって本当にありがとうございます!コメも☆も心より感謝です!完結まで精一杯頑張ります(>Д<)ゝ (2017年4月21日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
りあ - 沙羅さんこんばんは♪そう言って頂けて良かったです、余計なお世話だ~って言われたらどうしようかと…汗)自分だとなかなかこういうの気付きにくいですよね!読む側としては、読んで、コメして、お星様☆つけてというのがせめてものお返しなので♪今日、4読み終えました (2017年3月26日 22時) (レス) id: 33f147918f (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» こんばんわ!早速修正しました〜ヽ(;▽;)ノ更新前にチェックしてるはずなのに、自分では気づかなかったリ、後々になって気づいたり…(T∀T)こうして教えて頂けるのはありがたいです!本当にありがとうございます! (2017年3月25日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
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