恋心 ページ40
・
Aは「わかった？」と聞くと、笑顔を見せる。
「は、はい！」
「じゃあ、荷物運んじゃおっか！」
「…はい！」
大事な友達―――か。
エレンは若干残念に思いながらも、そこまで自分を大事に思ってくれているんだ、と素直に嬉しく思った。
たぶん、……自分はAに対して以前から、淡い恋心を抱いている。
自分でも気づいていた。
でも、それはきっと叶うことはない、と心のどこかでわかっている。
ただ、認めたくないだけ。
こんなガキじゃ、無理ないか……、とエレンはそっと一人ため息をつくと、Aの荷物を手にした。
・・・
「……おい、お前、どんだけ荷物あるんだ？」
Aが運んできた鞄の数を見て、リヴァイが呆れた様子で言った。
旧調査兵団本部への移動のため、リヴァイ班のメンバーは各自荷物を用意し、荷馬車に積んでいるところだった。
「女の子は荷物たくさんあるんです！！兵長は……少ないですね」
「…こんなもんで十分だろ」
ﾘｳﾞｧｲの足元には、中くらいの鞄が2個置いてあるだけだった。
「Aさん、荷物これで全部ですよね？」
Aの後ろから、大きな鞄を4つ持って、エレンがやってきた。
「ありがとう、エレン！運ぶの手伝ってもらって助かったよ」
「いえいえ、全然大丈夫です！！…荷馬車に積んでおきますね」
「……まだ、あったのか…」
ﾘｳﾞｧｲはそれを見て、また小さく息をつく。
ぺトラもぺトラで、山ほどの荷物を抱えてやってきていた。
オルオが不満そうにそれを手伝っている。
「ぺトラ！！準備終わった？」
「うん。これで全部。なんか楽しみだね！！皆でお城に住むなんて！」
「楽しみ〜！！なんか合宿みたいだよね！」
そう言って、二人で手を握り合う。
「…おい、お前ら。遊びに行くんじゃねぇんだぞ」
軽く睨みつけるリヴァイを横目に、Aは少しだけムッとすると、
「わかってますよ、それくらい！！」
ペ「もちろんわかっています、兵長！！」
「あ、そう言えばさ、エレン、料理得意なんだって！」
ペ「ええ！そうなの！？」
「早速、今日の夕食何か作ってもらおうよ！」
ペ「いいね！何がいいかな〜？」
嬉しそうに荷物を荷馬車の方に運んで行くAとぺトラの後ろ姿を見ながら、
どう見てもあの二人はピクニック気分だな……、とリヴァイは小さく息をついた。
なんでテンションが上がってんのか、意味がわからん……
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1065人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙羅(プロフ) - 罍罍さん» 通知が来てなくて、つい今しがた気づきました！！（泣）遅くなってしまい申し訳ありません！長い作品を読んで下さり本当にありがとうございます！エロカッコいい（//▽//）そんな兵長が大好きすぎます（笑）応援ありがとうございます！今後も精一杯頑張ります！ (2018年3月1日 23時) (
レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
罍罍 - 今、最初から全部読んでます！ヤバイ！！！！！兵長がエロかっこいいです(//∇//)！これからも頑張ってください！ (2017年12月31日 16時) (レス) id: 4203201650 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» りあさん！こんばんは！なんと通知が来ておらず、今頃コメントに気づきました〜(T□T)もう一ヶ月も前ですね！？レス遅くなってすみません！この作品を読んで下さって本当にありがとうございます！コメも☆も心より感謝です！完結まで精一杯頑張ります(＞Д＜)ゝ (2017年4月21日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
りあ - 沙羅さんこんばんは♪そう言って頂けて良かったです、余計なお世話だ~って言われたらどうしようかと…汗)自分だとなかなかこういうの気付きにくいですよね！読む側としては、読んで、コメして、お星様☆つけてというのがせめてものお返しなので♪今日、4読み終えました (2017年3月26日 22時) (レス) id: 33f147918f (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» こんばんわ！早速修正しました〜ヽ(；▽；)ノ更新前にチェックしてるはずなのに、自分では気づかなかったリ、後々になって気づいたり…(T∀T)こうして教えて頂けるのはありがたいです！本当にありがとうございます！ (2017年3月25日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
