エレンの怪我 ページ35
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審議の間、Aは審議所の控室で一人待っていた。
上官以上しか審議には出廷できず、自分は結局待つことしかできない。
ああ、今頃どんな審議が行われているのだろう……
まさか、…このまま処刑なんて、そんな最悪な結果にはならないよね……
不安が駆け巡る。
時間が経つのが、ものすごく長く感じた―――。
どれくらいの時間が経っただろう。
コツコツと廊下に靴音が聞こえ、ドアが開けられた。
団長達の姿が見え、……そして、その奥にはエレンの姿があった。
「エレン…ッ!!」
Aは急いで駆け寄ると、エレンの身体をギュッと抱きしめていた。
その場にいた一同が、一瞬ではあるが唖然とする。
ハンジとエルヴィンとミケの三人が思わずリヴァイを見やると、あからさまに眉間にしわを寄せているのがわかった。
が、リヴァイは何も言わず、そのまま部屋の奥へと足を進める。
一方で、エレンは突然のことに、顔を真っ赤にしていた。
「…っ…Aさん…!?」
「エレン…っ…よかったよ!!無事でよかった!!」
「……そんなに、心配してくれてたんですか…?」
「心配するよ!!当たり前でしょ!?…団長!!エレンは調査兵団に入れるってことでいいんですよね!?」
「ああ。…なんとかそこまで漕ぎつけることができたよ。心配させたね」
エルヴィンが優しい声で言った。
Aは「よかった…」とほっと胸をなで下ろし、改めてエレンを見やると……、
「え?…なんか、すごい怪我してない…??」
口元には血が滲み、顔もあちこちが傷だらけだ。
「ああ、それね。リヴァイがやったの」
ハンジがサラリと答える。
「…え?」
Aがリヴァイの姿を探すと、腕組みをした状態で、部屋の奥の壁に背中を預けていた。
「…なんで、兵長が?」
「…駆け引き上の演出だ」
手荒な真似って、これのことか……
憲兵とのやり取りの中で、必要になったということ…?
それにしても……、とAは思う。
「エレン、大丈夫?…痛い?」
「ぜ、全然、大丈夫です!!」
エレンが引きつった笑顔で言った。
おそらく気を使ってそう言っているのだろう。
「テレレテッテレ〜、救急箱!!こういうこともあろうかと、準備してたんだ!!」←
ハンジが笑顔で救急箱を取り出した。←
「準備良すぎます。…ハンジさんも知ってたんですか?」
「まあね…」
そう言ってハンジは苦笑いを浮かべた。
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沙羅(プロフ) - 罍罍さん» 通知が来てなくて、つい今しがた気づきました!!(泣)遅くなってしまい申し訳ありません!長い作品を読んで下さり本当にありがとうございます!エロカッコいい(//▽//)そんな兵長が大好きすぎます(笑)応援ありがとうございます!今後も精一杯頑張ります! (2018年3月1日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
罍罍 - 今、最初から全部読んでます!ヤバイ!!!!!兵長がエロかっこいいです(//∇//)!これからも頑張ってください! (2017年12月31日 16時) (レス) id: 4203201650 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» りあさん!こんばんは!なんと通知が来ておらず、今頃コメントに気づきました〜(T□T)もう一ヶ月も前ですね!?レス遅くなってすみません!この作品を読んで下さって本当にありがとうございます!コメも☆も心より感謝です!完結まで精一杯頑張ります(>Д<)ゝ (2017年4月21日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
りあ - 沙羅さんこんばんは♪そう言って頂けて良かったです、余計なお世話だ~って言われたらどうしようかと…汗)自分だとなかなかこういうの気付きにくいですよね!読む側としては、読んで、コメして、お星様☆つけてというのがせめてものお返しなので♪今日、4読み終えました (2017年3月26日 22時) (レス) id: 33f147918f (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» こんばんわ!早速修正しました〜ヽ(;▽;)ノ更新前にチェックしてるはずなのに、自分では気づかなかったリ、後々になって気づいたり…(T∀T)こうして教えて頂けるのはありがたいです!本当にありがとうございます! (2017年3月25日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
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