歯? ページ36
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とりあえず、エレンをソファーに座らせると、Aは手当てを始めた。
消毒する度に、エレンが顔を歪める。
「…痛い?」
「…ええ、…まあ、少しは…」
「っていうか、どれくらい殴られたの、これ?尋常じゃないよね…」
「そりゃもうボッコボコだったよ!エレン、腕拘束されてるし、殴るは蹴るはの殴打の連続……!」
「うるせぇ、クソメガネ。あれくらいやらねぇと意味ねぇんだよ」
リヴァイが後ろから、低い声で呟く。
「すまなかったな、エレン。…でも、その痛みの甲斐があって、君を我々に託してもらうことができた」
エルヴィンはそう言うと、エレンに近づき、ゆっくりと膝を折った。
「君に敬意を。…これからよろしく頼むよ、エレン」
エルヴィンが差し出した手に、エレンが嬉しそうに表情を緩め、手を差し出す。
「は、はい!よろしくお願いします!!」
それを見て、Aもほっとする。
とりあえずは、エレンの身は調査兵団内で守られる―――
第一関門突破といったころだろうか…
リヴァイがおもむろにソファーに近づくと、エレンの隣にドカッと腰を下ろした。
エレンの身体がビクリと跳ね上がる。
そして、明らかに恐怖で顔が引きつっている。
どんだけひどいことされたんだろう…、とAは不安に思わずにはいられない。
「…なぁ、エレン。…俺を憎んでいるか?」
「…い、いえ!兵長の言われた通り、必要な演出として理解しています…っ」
「…そうか。なら、よかった」
「でも、限度ってもんがあるでしょ。歯が折れちゃったんだよ、ほら」
ハンジが手に持っていたハンカチを開くと、確かに取れた白い歯が一つ…。
「拾うな。気持ち悪ぃ…」
そう言って、リヴァイが顔をしかめる。
「ちょっと!?歯が取れたって…!?」
「ああ、一発目でとれた」←
平然と答えるリヴァイを、Aは軽く睨みつけた。
「だから、…これくらいしねぇと、演出にならねぇんだよ」
そう言って、リヴァイは小さく息をつく。
本当に、手加減ってものを知らないんだから、この人は……
「だからって、エレンまだ若いのに!!歯がとれちゃうくらい殴るって、酷いです!!」
「いや、蹴ったらとれた」←
「っ…そういう問題じゃありません!!」
リヴァイは、うるせぇな…、というように、視線を逸らす。
「Aさん、本当に大丈夫ですから!!」
二人の様子をハラハラしながら見ていたエレンが、慌てて言った。
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沙羅(プロフ) - 罍罍さん» 通知が来てなくて、つい今しがた気づきました!!(泣)遅くなってしまい申し訳ありません!長い作品を読んで下さり本当にありがとうございます!エロカッコいい(//▽//)そんな兵長が大好きすぎます(笑)応援ありがとうございます!今後も精一杯頑張ります! (2018年3月1日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
罍罍 - 今、最初から全部読んでます!ヤバイ!!!!!兵長がエロかっこいいです(//∇//)!これからも頑張ってください! (2017年12月31日 16時) (レス) id: 4203201650 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» りあさん!こんばんは!なんと通知が来ておらず、今頃コメントに気づきました〜(T□T)もう一ヶ月も前ですね!?レス遅くなってすみません!この作品を読んで下さって本当にありがとうございます!コメも☆も心より感謝です!完結まで精一杯頑張ります(>Д<)ゝ (2017年4月21日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
りあ - 沙羅さんこんばんは♪そう言って頂けて良かったです、余計なお世話だ~って言われたらどうしようかと…汗)自分だとなかなかこういうの気付きにくいですよね!読む側としては、読んで、コメして、お星様☆つけてというのがせめてものお返しなので♪今日、4読み終えました (2017年3月26日 22時) (レス) id: 33f147918f (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» こんばんわ!早速修正しました〜ヽ(;▽;)ノ更新前にチェックしてるはずなのに、自分では気づかなかったリ、後々になって気づいたり…(T∀T)こうして教えて頂けるのはありがたいです!本当にありがとうございます! (2017年3月25日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
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