story＊48 酒と口実 ページ5
・
私は今、一つの酒瓶を手に取り悩んでいる。
そう、この酒をアイツのところへ持っていくかどうか…
とは言っても、そんなにいい酒でもないのだが
机の前の椅子にかけたまま、瓶に入っている琥珀色の液体を眺める。
窓から差し込む月明かりが反射し、ほのかに淡い光を放っている。
きっと憲兵にでも入っていれば、上等酒なんていくらでも手に入るんだろうな…
そんなことをふと思う。
その選択肢も、ないわけではなかった
だけど、調査兵団に入ることしか考えていなかった私には、その選択肢はあってないようなものだった
調査兵団に入る前は、壁外調査の現実は身に染みる程わかっているつもりだった
それなりの覚悟だってしていた
していたはずなのに私の覚悟は結局のところ、中途半端なものでしかなくて……
『…死にたい……』
何故、あんな言葉を口にしたのだろう
しかも、アイツの目の前で……
兵士として年数を重ねるごとに、気を抜くとそのまま闇に呑まれそうになることがある
"あの時"もきっとそうだった
弱くて、惨めで、最悪な自分の姿を晒して
はぁ…、馬鹿だな……
最終的に、アイツの優しさにすがっている自分がいた
身体を預けることで、恐怖から逃れるようにして…
それを黙って受け止めるアイツも、
きっと相当の馬鹿だ―――
思わず溜め息交じりに小さく息を吐く。
軽い自己嫌悪に陥りながら、机の上の懐中時計を手に取った。
22時をまわったところ
まあ、とりあえず寝てはいないだろう…
酒瓶を手にし、私は静かに自室を後にした。
酒を口実に足を運ぶ私は、きっとこの上なくズルイんだろうな…
・・・・・・・・
目的の部屋について、ドアをノックする。
返事はなし…
まさか寝てる…？
そんなわけないか、と思いつつ、ゆっくりとドアを開けた。
兵士長室の中を覗き込む。
するとソファーの上にリヴァイの姿。
ソファーの肘かけに頭を乗せ、足を組み仰向けの状態で横になっている。
あ、寝てた←
って、え？…寝てる…？？
ゆっくりと部屋の中に入り、ソファーの方へと近づいてみる。
今だ気持ちよさそうに静かな寝息を立てているリヴァイ。
起きそうな様子も…ない。
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ああ - 続きがめっちゃ気になります！ (9月12日 17時) (
レス) id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 更新待ってるよ〜 (9月12日 17時) (レス) @page39 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - いつまで待ってるよさん» コメントありがとうございます！更新待ってくださってるということでしょうか。ありがとうございます（泣）。続きもう少しで更新できそうです。頑張ります！ (2021年4月19日 23時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
いつまで待ってるよ - みゃー (2021年4月13日 16時) (レス) id: 96589efb3e (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ミカサさん» コメントありがとうございます！更新お待たせしてすみません！待っていただきありがとうございます！ (2021年3月21日 22時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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