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story*74  夜の闇 ページ32






何度も肌を重ね、二人の吐息が夜を満たす。


身体に刻まれた愛しい人の感触と、ほんの僅かな気だるさを残し…

ベッドの上。
互いの肌に寄り添い、貴方の鼓動の音を感じる。


私の頭を優しい仕草で撫でているリヴァイの手の平。
いつの間にかその手がゆっくりと止まり、代わりに気持ちの良さそうな寝息が聞こえてきた。

思わず上半身を少しだけ起こし確認する。



やっぱり本当に寝てる…



すやすやと心地よさそうに眠っているリヴァイ。



リヴァイの方が私より先に寝るなんて珍しい

大抵、私の方が先に寝るのに

というか、途中で意識がぶっ飛ぶというか…



その寝顔を眺める。

整った顔立ち。
額にかかった黒髪が、先刻の情事のせいでわずかに乱れていて、それが妙に色っぽい。

無防備な姿に、可愛いとさえ思う。

目元に刻まれた隈が、いつもよりほんの少しだけ濃いような気がした。

それが、こうも簡単に眠りに落ちてしまった理由だろうか…。




もしかして、最近眠れてなかったのかな…?

調査前だし、書類も多いだろうし…



おそらく、理由はそれだけではないのだろう

その目元に刻まれた陰は、この人の背負う苦悩の数の証なのだと

そんな風に思う



きっと、普通の人では背負いきれない程の…




起こさないように、そっとまたその身体に身を寄せた。


まださっきの熱を残している身体。

その体温が心地よい。








貴方のことが好き







逃げようとしたって、誤魔化そうとしたって、その事実は変わりはしない

なのに、逃げて、悪足掻(わるあが)きばかりして、往生際が悪い





帰ってきたら、今度こそちゃんと伝えたい

私の気持ち



遅ぇんだよ、ってリヴァイには怒られるだろうけど







逃げるのはよそう



わがままは、もうよそう






いつか、また、失うとしても…









いいよね…?


リヴァイ





だって、貴方は強いから








だから、私が先にいなくなっても、大丈夫だよね……?









瞳から零れた一筋の雫が、ゆっくりと夜の闇に吸い込まれていった。

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ああ - 続きがめっちゃ気になります! (9月12日 17時) (レス) id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 更新待ってるよ〜 (9月12日 17時) (レス) @page39 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - いつまで待ってるよさん» コメントありがとうございます!更新待ってくださってるということでしょうか。ありがとうございます(泣)。続きもう少しで更新できそうです。頑張ります! (2021年4月19日 23時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
いつまで待ってるよ - みゃー (2021年4月13日 16時) (レス) id: 96589efb3e (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ミカサさん» コメントありがとうございます!更新お待たせしてすみません!待っていただきありがとうございます! (2021年3月21日 22時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年6月23日 16時

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