story＊72 月明かり ページ29
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次の壁外調査が迫ってきていた。
自室の机に座り必要書類にペンを走らせていた私は、ふと手を止める。
小さな溜め息をつきながら思い出すのは、またアイツのこと。
”あれから”リヴァイには普通に接してる…と思う。
『お前を置いていなくなったりしない。…約束する』
私の目を見て、はっきりとそう言ったリヴァイ
素直に嬉しかった
私達兵士にとって、その約束がどれ程難しいことか知っているから
だから、それを口にしてくれたことだけでも、本当に嬉しくて…
でも、それと同時に、消えない胸の痛みが増してゆく
『愛してる…』
そう言われた時とは違う、また別の痛み…
きっと、リヴァイはその約束を
彼は、強い
『人類最強』という肩書きに十分見合うほど
兵士としての実力はもちろんのこと、それだけではなくて
冷静な判断力も、逆境を乗り越えていく力も
どんな状況下でも諦めない
彼にはそんな強さがある
あなたは死なない
あの人はきっとこの残酷な惨劇の中でも、生き残っていける
私にはわかる
だから、先に、いなくなるのは、
私の方だ…―――――
窓の外にゆっくりと視線を移す。
灰色の雲の隙間から見え隠れする、淡い月明かり。
どこまでも静かなその景色は、私の心を見透かしているかのようで…
後に残される者の悲しみを
私は、嫌というほど知っている
あんな思いは二度としたくない
そして、それと同時に同じように思うこと
あんな思いは、誰にもさせたくない…―――
それが、自分の大切な人なら尚更に…
そう思うことも、私の我儘なのだろうか
私が臆病だから
私が逃げてばかりいるから
だから、いつまで経っても答えを出せないでいる
そんなどうしようもなく弱い自分…
月明かりを眺めながらもう一度溜め息をついた時、ふいにドアをノックする音が聞こえた。
机の上の懐中時計を見ると、0時にほぼ近い時刻を差している。
こんな時間に誰だろう？
もしかしてハンジ…？
また新しい捕獲作戦でも思いついたとか
明日まで待ち切れずに押しかけて来たとか……あり得る
朝までコースとかもあり得る
頼むから寝かせてくれ←
溜め息をつきながら立ち上がると、仕方なくドアの方へと向かう。
「ハンジなの？今何時だと思ってるの？話なら明日に……」
そう言いながらドアを開くと、何故かそこにいたのは眉間に皺を寄せたリヴァイだった。
story＊73 理由探し→←story＊71 リヴァイside―キスの味と溜め息と
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ああ - 続きがめっちゃ気になります！ (9月12日 17時) (
レス) id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 更新待ってるよ〜 (9月12日 17時) (レス) @page39 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - いつまで待ってるよさん» コメントありがとうございます！更新待ってくださってるということでしょうか。ありがとうございます（泣）。続きもう少しで更新できそうです。頑張ります！ (2021年4月19日 23時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
いつまで待ってるよ - みゃー (2021年4月13日 16時) (レス) id: 96589efb3e (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ミカサさん» コメントありがとうございます！更新お待たせしてすみません！待っていただきありがとうございます！ (2021年3月21日 22時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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