story＊71 リヴァイside―キスの味と溜め息と ページ28
・
それだけ言って、本当にバカみてぇにまだ俺の目を見つめているAの頭をクシャリと撫でる。
ありったけの理性で何とか”それ以上のナニカ”を押し止め、その場を去ろうとした。
なのに、このバカは俺の肩を掴み呼び止める。
「…リヴァイ…っ」
そう名を呼ばれ振り向いた瞬間、俺の唇にフワリとAの柔らかい唇が重なった。
軽く触れるだけのキス。
なのに…その感触はすごく甘くて、愛しい程に温かくて…
柄にもなく一瞬だけ、心臓がドクンと疼いた。
「……ありがとう…」
唇を離すとそう言って、うつむいたまま静かに俺から離れるA。
そのまま視線も合わすことなく踵を返すと、Aは廊下の向こうへと足早に去って行った。
不意をつかれた俺は、何も言えないままその後ろ姿をただ見送る形になる。
ありがとう…って、何だ…？
なぜ礼を言う
というか、せっかくこっちが我慢してやってるというのに、とてつもなく中途半端なことしやがって……
「…クソッ……」
そう呟きながら、思わず小さく舌打ちした。
だが、―――悪い気はしねぇな…
アイツが触れた唇に、指先で軽く触れる。
初めて、Aの方からキスされた気がした…。
いつもこっちから求めることが多いような気がしていたぶん、どこか新鮮に感じている自分がいた。
とは言っても、相変わらず明確な返事はなく、イライラは募るばかり。
…チッ
さっさと素直になりやがれ…
人知れず小さな溜め息を吐く。
なんでこんな女に惚れちまったんだか…、そんな愚痴を心の中で独りごちながら反対方向へ踵を返すと、俺は仕方なく自室へと足を向けた。
・・・・・・・・・・・・・
先日、星が赤になりました
本当にありがとうございます！
読者の皆様に感謝です
これからも頑張ります！
story＊72 月明かり→←story＊70 リヴァイside―約束という名の
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1009人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「進撃の巨人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ああ - 続きがめっちゃ気になります！ (9月12日 17時) (
レス) id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 更新待ってるよ〜 (9月12日 17時) (レス) @page39 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - いつまで待ってるよさん» コメントありがとうございます！更新待ってくださってるということでしょうか。ありがとうございます（泣）。続きもう少しで更新できそうです。頑張ります！ (2021年4月19日 23時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
いつまで待ってるよ - みゃー (2021年4月13日 16時) (レス) id: 96589efb3e (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ミカサさん» コメントありがとうございます！更新お待たせしてすみません！待っていただきありがとうございます！ (2021年3月21日 22時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
