それぞれの思い8 ―覚悟と代償 ページ45
・
「これからどんなことがあるかわからない。もし、必要な状況だと判断した時には、私はあなたに刃も向ける。あなたを守っていく中で、あなたを傷つける覚悟が必要だというなら、…私はその覚悟もする」
そう言うと、Aはおもむろにポケットから小さなナイフを取り出した。
そして自分の左手の手の平をかざすと、その真ん中辺りに直線上にゆっくりとナイフを滑らせた。
すぐに赤い線が浮かび上がり、手の平に血がにじんでいく。
エレンは驚きを隠せないまま、その光景に目を見張った。
「Aさんッ！？な、なにを…っ！？」
Aは痛みに表情を歪めることもなく、先ほどと変わらない真剣な眼差しをエレンに向けた。
「これが、私の覚悟。…これで十分だとは思わない。けど、あなたに刃を向けることの代償として受け取ってほしい」
「……Aさん…っ」
「でもそれでも、エレンのことを精一杯守りたいと思っているし、できうる限り力になりたいと思ってる。それは変わらない。エレンもわからないことだらけで、不安なのに…ごめんね。…けど、それでも、…私を信じてほしい」
Aがわずかに苦しそうに表情を歪めた。
それを見て、エレンの胸が締め付けられる。
つらいのは、自分だけじゃない
自分のせいで、そんな葛藤の中で、Aさんを苦しめていたなんて……
「わかりました！わかりましたから…っ！！俺は大丈夫です！Aさんが俺に刃を突き立てたようが何をしようが、俺はAさんを信じています！！…それに…Aさんが俺の為につらい思いをするのは絶対に嫌です！！」
「……エレン…」
「俺も、覚悟を決めます！！Aさんの為にも、自分の力をちゃんと使えるように。大事な人を守れるように！！…だから、自分を傷付けたりしないで下さい！そんな顔しないで下さい！…俺はどんなことがあっても、Aさんを信じています！！」
「…エレン…。…うん……ありがとう」
Aが優しく微笑むのを見て、エレンは小さく息を呑んだ。
それと同時に、涙が込み上げてくる。
そこまで、自分のことを考えてくれているのが、この上なく嬉しかった。
溢れそうになる涙を隠そうと、エレンは思わず視線を落とした。
すると、Aの手の平からにじむ赤色が目に入る。
「Aさん！早く傷の手当てしないと…っ！」
「大丈夫だよ。…こんなの大したことない」
「…で、でも………っ」
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まやや - Wwwハンジwwwwwアニメでは団欒の後に出てくるからそれがここでも生かされてる(?)面白い。ちょっとえちちな展開もいい。嫉妬しちゃう、第三者目線でしか見れないから。。つら (2020年10月24日 0時) (
レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ミーナさん» コメント感謝です！！嬉しいお言葉を、たくさんありがとうございます！！本当に嬉しすぎます(>_<)夢主を含め、リヴァイ班みんなの内面の葛藤などを少しでも書ければと思っております！続き頑張ります！！応援ありがとうございます！！ (2015年12月14日 22時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
ミーナ - 素晴らしいですね！！！大好きです！すごく大好きです！！頑張ってください！！！なんか、人間らしさ…？何かが出ていて感動します！ (2015年12月14日 19時) (レス) id: 9ea20a320e (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - あいねこさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！！感動しましたなんて…嬉しすぎです(ToT)応援本当にありがとうございます！！(*´∀｀)更新頑張ります！！ (2015年12月14日 8時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
あいねこ - すごく感動しました！これからも頑張ってください。応援します！ (2015年12月14日 1時) (レス) id: cc9f9b8f42 (このIDを非表示/違反報告)
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