巨人化実験2 ― 一抹の不安 ページ28
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「何度言っても、ダメだ。命令に従え」
だが、リヴァイの命令は変わらないようだ。
「…やっぱり駄目?」
「何度も説明しただろうが。エレンが暴走すると仮定したとして、広範囲に陣形をとるのは当然だ。それに、俺一人でもヤツの肉を削ぐことぐらい、すぐにできる。…それとも、俺の腕が信用できないのか?」
もう一度、この上ない睨みを効かされ、Aは一瞬息を呑んだ。
リヴァイが兵士長としての目をしていたからだ。
ああ、これは自分のわがままだな…、と今さらながらに痛感する。
「…ごめん。……わかった。ちゃんと命令に従う」
リヴァイは小さく息を吐くと、少しうつむいたAの頬に手を伸ばした。
「…悪いようにはしねぇよ。…だからその不安そうなツラはやめるんだな。あのクソガキの為にもな…」
「…うん。…そうだね。ごめん」
自分が不安になっても仕方ない。
エレンに元気になってもらうには、自分が元気を出さないと……!
その後、エレンのところに行き、「大丈夫だからね!」とエレンの頭を撫でているAを見やりながら、リヴァイはわずかに目を細めた。
この実験が決まった時、Aから近くで立ちあいたいとすぐに申し出があったが、リヴァイが却下した。
リヴァイの中にある、一抹の不安
まあ、アイツもそこまで馬鹿じゃねぇだろ……
そう思いつつも、遠方での待機を命じた。
アイツに聞けば、『覚悟はできている』と言うに決まっている。
だが、実際のところはどうなのか――
口に出して、言いたくはねぇが……
Aからは、エレンをうなじごと切り落とすことについても、失敗するなと今朝から何度も念を押された。
まあ、不安なのもわかりはするが。
エレンに入れ込み過ぎなところを感じるのは、俺の気のせいか……?
いや、気のせいと思いたい……と言ったところか
もう一度、Aに視線を移しながら、息をつく。
にしても、アイツがエレンの頭を撫でるのを見るのは、さすがに慣れてきたな……←
そんなことを思いながら、リヴァイはもう一度溜息を吐くのだった……。
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まやや - Wwwハンジwwwwwアニメでは団欒の後に出てくるからそれがここでも生かされてる(?)面白い。ちょっとえちちな展開もいい。嫉妬しちゃう、第三者目線でしか見れないから。。つら (2020年10月24日 0時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ミーナさん» コメント感謝です!!嬉しいお言葉を、たくさんありがとうございます!!本当に嬉しすぎます(>_<)夢主を含め、リヴァイ班みんなの内面の葛藤などを少しでも書ければと思っております!続き頑張ります!!応援ありがとうございます!! (2015年12月14日 22時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
ミーナ - 素晴らしいですね!!!大好きです!すごく大好きです!!頑張ってください!!!なんか、人間らしさ…?何かが出ていて感動します! (2015年12月14日 19時) (レス) id: 9ea20a320e (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - あいねこさん» 嬉しいコメントをありがとうございます!!感動しましたなんて…嬉しすぎです(ToT)応援本当にありがとうございます!!(*´∀`)更新頑張ります!! (2015年12月14日 8時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
あいねこ - すごく感動しました!これからも頑張ってください。応援します! (2015年12月14日 1時) (レス) id: cc9f9b8f42 (このIDを非表示/違反報告)
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