人類最強と私の恋愛事情5―未知への挑戦―【進撃】【リヴァイ】

悪夢という名の現実とは2　　―冷たい感触　　※ ページ14

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現れたのは、俺が一番近くで見てきた横顔だった

目を閉じ、血で汚れているが綺麗な横顔だった…


――夢だ…と、頭の片隅ではわかっている


なのに、目の前のコイツの姿は、あまりにも現実味を帯びていて、…知らない間に、俺の頬を嫌な汗が一筋流れ落ちていた。

血に濡れた頬にそっと手を添える。

すると、まるで氷のように冷たい感触が手の平に伝わり、それは俺の身体の中の全ての体温を、一瞬にして奪っていくのに十分だった。


「ッ…な…んで……っ」


かすかに震える俺の口からやっと絞り出せた言葉は、――たった、それだけだった…



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・



ハッと目を見開く。

思わず上半身を起こすと、ハァハァと肩で息をしていた。
まるでさっきの続きのように、頬に汗が伝っていく。

暗闇に目が慣れ、自室のベッドの上だと気付くのに、少し時間がかかった。


―――夢だ……


そうわかっているつもりだった。

なのに、手の平に伝わってきた冷たい感触が、俺の右手に生々しく残っていて、思わず手の平を見つめた後、ギュッと握り締めた。


すぐ隣に横になっているAに目を移せば、規則正しい寝息を立てながら、静かに眠っている。

微かに震える手で、そっとその頬に手を添える。



温かい…

生きてる……ちゃんと、生きている……



思わずAが眠っていることも忘れ、覆いかぶさるとそのまま白い首筋に顔をうずめた。

Aの優しい香りがする。
確かな息遣いと共に、Aの体温が伝わってくる。


首筋に、熱く唇を押しあてる。
気づくと我慢できずに、そのまま舌を這わせ、柔らかい肌に吸いついていた。


Aが「んん…」と少し苦しそうに、頭を動かす。

ハッとして顔を離し、眠っているのを確認して少しほっとする。

首筋の何箇所かに、かすかに赤い痕が浮かびあがった。



俺は…お前を失う日を迎えることがあるのか？

いや、お前は約束したよな

絶対に死なない、俺の元へ必ず帰ってくると…

お前は、約束を破ったりしねぇ

そうだろ…？



掛け布団からのぞく手の平に自分の指を絡ませると、Aを抱きしめるようにして、ベッドに再び身体を横たえた。


俺は、…こんなにもお前を失うことに恐怖してるんだな……

改めてそう思った


俺は、…こんなにも弱い人間だ

人類最強と言われようとなんだろうと、…愛する人を失うことが怖くない人間なんて、いないだろう…？

だから、お願いだ…


俺の前から、絶対に――消えないでくれ…


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