人類最強と私の恋愛事情5―未知への挑戦―【進撃】【リヴァイ】

悪夢という名の現実とは1　　―闇の中の赤 ページ13

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リヴァイside




暗闇の中を、あてもなく立体起動で移動する

どの方向へ向かっているのかもわからない、漆黒の闇…

空を切る頬に感じるのは、冷たいのにどこか生温かい風
身にまとわりつくような、嫌な空気…

自然と変な汗が額に浮かびあがる
ブレードを握り締める手の平にも、汗が滲んでいるのがわかった


不意に、暗闇の中、人影が横に並んだ
同じように、立体起動で並行する

その数はどんどん増えていく


顔に見覚えがある
一緒に戦った兵士達だ

名前も全部、―――覚えている……


すぐ隣を並行していた兵士が、俺を呼んだ


『リヴァイ兵長…』


そう呟いた途端に、その身体がバラバラに引き裂かれた
手足がちぎれ、内臓が飛び出し、鮮血が闇を赤に染める


『兵長…』

『リヴァイ兵長…』


そう呼ばれる度に、空中で鮮血と共に次々と肢体が飛び散っていく……



―――悪夢だ



いや、―――そうじゃない

現実に起こったこと


アイツらは、ああやって死んでいった…

人類の未来を、調査兵団を、そして、…俺を信じて…―――


いつの間にか、立体起動で飛ぶファーランとイザベルの姿が、俺の目の前にあった


「っ…ダメだ！！行くんじゃねぇ…ッ！！」


考えるよりも先に、ほとんど反射的に口から出た言葉だった


『リヴァイ……』

『兄貴……』


目の前で飛び散る肢体と残酷な赤が、暗闇に飲み込まれるように落ちていく……


俺はそれを立体起動で飛び越えて行く

悲しいはずなのに涙も出ない
呼吸も乱れない

冷静にブレードを握る手に力を込める


逃げない……この現実から……

俺は、それでも、―――前に進む



ふいに、目の前の地面が白くポウッと鈍い光を放った

楕円形に暗闇から切り取られたように浮かび上がったそこには、一人の兵士が倒れていた

兵団服は血だらけで、ところどころ破れ、鮮血が身体の下に血だまりを作っていた
動く様子も……ない


近くに着地する

そして、近くでソレを目にした途端、心臓がドクンと嫌な音を鳴らした

横向きに倒れており、髪が顔にかかっていて、はっきりとは顔が見えない


だが、――俺はコイツが誰だかわかっている

それと同時に、脳が拒否反応を起こしたかのように、頭が混乱した


ダークブラウンの肩より少し長い髪、白いしなやかな手、見慣れた身体のライン、立体起動の腰のベルトに付いている……星型のキーホルダー……


俺はひざまづくと、右手を伸ばし、顔にかかっている髪をそっと掻きあげた…。

悪夢という名の現実とは2　　―冷たい感触　　※→←旧調査兵団本部17　　―思わせぶりな態度

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