【うらたぬき】教えてください

44 そうくるとは ページ44

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「……そう、なんだ」


ちらりと横目でうらたくんを見ると、綺麗なその茶色い瞳は暗い空に浮かぶ 輝く星を捉えていた。


『…うん』


うらたくんが目を伏せる。


「そっか」


『うらたくんは…』


_____ダメだ。


こんなこと聞いても、うらたくんの答えだって変わらない。


だから距離を置こうって。わざわざありもしない嘘をついたっていうのに。


『うらたくんは、そういう人…いないの？』


ざぁっと 変わらぬ生ぬるい風が木々を揺らす。


うらたくんが再び目を開けて、悲しげな笑みを浮かべる。


「俺は…いないよ」


『…え』


それじゃあ、さっきの放送での言葉は嘘？


それとも、私にはもうそんなことも話したくなかったかな。


「いないっていうか…ついさっき、フラれちゃった」


私は驚いて 正面からうらたくんを見つめる。


「好きな人、いるんだって」


もっとも、フラれたっていうか、俺が諦めただけなんだけど、とうらたくんは笑う。


あの短時間で何があったのか。


気にはなったけど、聞いてはいけない と心のどこかがまた叫んでいる。


「…それで？

Aは誰が好きになったの」


無意識なのか、うらたくんはそんな意地悪な質問をする。


「答えたくないなら、無理して言わなくていいよ。


_____でさ、その恋愛相談、俺が乗ってあげる」



うらたくんは 端正な顔立ちの上に、先程とは違う 意地の悪い笑みをひとつ浮かべた。


…なんか、 変な方向になってきた予感。








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