【うらたぬき】教えてください

39 アシスタント兼味見役 ページ39

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カゴに突っ込んでいた食材を買って、無事帰宅。


爽やかな色合いに一目惚れして、つい衝動買いしてしまったけれど、キッチンに立つことすらないために ほぼ飾りになってしまったエプロン。


ちょうど緑色だし、うらたくんに似合うんじゃね？と手渡してみる。


「あ、これかわいー」


『そろそろウチに嫁いでくれない？』


「俺は女になる気はない」


『ふ、フラれたぁ…』


お気に入りらしい ベージュのサマーニットに、明るめの茶色い髪が相まって、雰囲気はまるで森ガール。


…あれ、うら氏はガールじゃないな。森ボーイか。一気にダサくなったな。


そんなあほなことを考えている間も、うら氏は順調に野菜をカット。


「A、バット出して」


『りょかです』


使いもしないのに 無駄に揃っているキッチン用品の中から、隅っこに立て掛けてあったアルミ製のバットをゲッツ。


手際よく リズミカルに包丁を動かしていくうら氏の横に、バットを置いた。


「塩取ってー」


『あいさー』


これはアレですか、アシスタントというやつ。


ということは、うら氏は私のことを邪魔者だとは思ってない!!


いつも家族にも友人にも "お前は待ってろ" と、まるでキッチンの死神のような扱いを受けてきた私が!!


『もう…うら氏大好きやわ』


「ムードの欠片もない告白ありがとう」


今日１日で何回フラれるのでしょうか、私。



「A、胡椒」


『…はい』







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