(おまけ)ガレオムさんの話 ページ4
ガレオムside
ガキ共(といってもレイとは一回りほどしか変わらないが)に絡まれながら、ゴリラ女もとい、ピュールとの出会いを思い出していた。
アイツは知らないだろうが、俺は一次試験が始まる前、受験者たちの集合場所で待機していたときからアイツの存在に気づいていた。
そこらの男共より骨があると思った。
それに、綺麗だとも思った。
その時はまだ念なんて知らなかったが、それでも纏う雰囲気というかオーラが綺麗だった。
まぁ、それは数年後、アイツの具現化されたフルートを見て俺の感は正しかったと確信することになるのだが…
そんなことより、試験が始まってからも俺は無意識にアイツを目で追いかけていた。
一瞬見失って、再び見つけた時に血塗れの姿を見て、本当に焦ったんだ。
まだ話したこともない、名前も知らない女を気にかけてたなんて我ながらおかしいと思う。
でも、気にかけずにはいられなかった。
自分よりふた周りほど大きな敵にさえも落ち着いて立ち向かう姿も、相手が人間ならわざと急所を外す慈悲深い戦い方も、全てが俺を魅了した。
もしかして、俺より強いんじゃないか、とか考えた瞬間もあったな。
それでも、アイツを助けた時、『あぁ、ちゃんと弱い部分もあるのか』とか、『細いし軽いな』とか、その数時間前に猛獣扱いした俺を軽く殴りたくなるくらいにはピュールという女を再認識した。
そして、アイツの微笑んだ顔を見て思わず顔を背けた。
思い出せば出すほど、あの時の自分に嫌気がさすが、それと同じかそれ以上にアイツの笑顔が脳裏をよぎる。
俺は最初から、100%アイツに惚れていたんだ。
そして、今も…
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作者名:バレーノ | 作成日時:2019年2月1日 15時