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はっと目が覚めると見慣れない部屋
身体を起こし周りを見渡そうとするが暗くてあまり見えない

そんなことを思っているとガチャッと扉が開き反射的にそちらを見ると人が立っていた


「目、覚ましたか?」

『えっ、あ、は、はい』


誰か分からないがとりあえず返事をすると電気をつけたみたいで部屋がぱっと明るくなった
反射的に目を瞑り、恐る恐る目をあけるとそこには茶髪ですこし小柄の人が立っていた

ん?待てよ、ここには化物しかいないはず。なら__
はっと気がついた時には遅く、彼は私に近づいていた


『や、!来ないで…!!』


さっきの光景が脳裏に映し出されて思わず後ずさりをして彼を拒んだ
それを察したのか、彼は立ち止まった


「んな見ず知らずの人間をとって喰ったりなんかしねーよ、あいつと一緒にすんな」

『へ…?』


思わずまぬけな言葉が出た
化物はみんな怖いものだと言われてきたし、さっきの彼の行動からしてそうだと思っていた
もしかしたら、違うのかもしれない



「俺はうらた、お前は?」


『え、あっA、です』


「ふーん、Aね。何でここに来たの?喰われたかったの?」


『や、違うんです。ちょっと色々あって家出して、気がついたらここに着いてて…』



そう答えると彼はえ、そうなの?とひどく驚いていた
そんな自ら喰われにいく人なんてそうそういないでしょ…と思いながら彼を見つめる


「にしてもまーしーが気に入るわけだ。甘いもんなお前」

『甘い、?』

「まあ知ってると思うけど俺ら化物は人間喰って生きてるわけ、だから甘いとか不味いとかあるの」

『は、はぁ…』

「で、お前は甘い、つまり美味いわけ。だからまーしー…あのさっきの男はお前を喰ったり血飲んだりしたの」


正直いまクラクラしてる、彼は説明しながら最後にそう付け足した

甘い、だなんて知らなかったし初めて言われた
最後は抜いて、さっきの彼とは違ってうらたさんは落ち着いてる気がする。それにひどく安心した
そして、1番気になっていたことを聞いた



『私は帰らなきゃいけませんか…ね?』









▽→←▽



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しゅー(プロフ) - 初コメ失礼します!久しぶりの更新嬉しいです!これからも応援しています! (2020年2月23日 10時) (レス) id: e82b0f1951 (このIDを非表示/違反報告)
メグミルク - コメント失礼します!!この作品めっちゃ面白くて大好きです!!頑張ってください!!応援してます!! (2020年2月19日 20時) (レス) id: 6a7c0777cd (このIDを非表示/違反報告)
mio - この作品 大好きです!応援してます!! (2020年2月16日 14時) (レス) id: bdb1a7276a (このIDを非表示/違反報告)
あいす - 初コメ失礼します!とても面白いです!更新頑張ってください!待ってます! (2019年12月30日 10時) (レス) id: 53c9f0c34f (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 作品好きですはまるw (2019年12月22日 11時) (レス) id: 8efed06d87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:.。なな。. | 作成日時:2019年12月4日 18時

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