☆6 ページ7
自己紹介を終えたあと、忍を含めた流星隊の面子はレッスン室へ、私はあんずさんと一緒にステージの方へと向かっていた。
手伝うとは言ったものの、具体的に何をするのかをはっきり聞かされていたわけではないので、詳しい事情をあんずさんから聞こうと思ったのだ。
「あの、私は具体的に何のお手伝いをすれば……」
「えっとですね、主に大道具の設置とか、ライブの運営に関して手伝ってもらうことになるんですけど……」
大道具の設置……要するに重たいものを運んで設置しろってことか。
それぐらいなら私にもできそうだ。力には自信がある。
「わかりました」
「詳しいことはスタッフさんに聞いてもらえると……力になれなくてすみません」
申し訳なさそうな表情をするあんずさんに、とんでもない!と首を振りつつ。
「いや、全然。教えてくれて助かりました。こっちこそ時間とってすみません。忍たちのプロデュース、しないといけないのに」
そうだ、あんずさんはプロデューサーだからこっちに構っている時間はないはずなのに、わざわざ教えてくれたのだ。
ありがたいことこの上ない。
それじゃあ私はそろそろ、と去っていったあんずさんにもう一度お礼を言ってから、私はステージの方へ向き直った。
次にやらなければいけないのはスタッフさんへの挨拶だ。
こんなど素人がいきなり「お手伝いします」なんて言ったところで受け入れられるのか、という不安はあるが、怖気付いてはいられない。
「すみません。篠原という者ですが――」
最初はあまり乗り気ではなかったけど。
忍たちのライブを成功させるために、少しでも力になれることがあるなら。
全力を出してやろう、と思う。
37人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ