19 嘘だ ページ25
痛む体に鞭打って、私はひたすら走った。
疲れるなんて感覚もなかった。
どのくらい走っただろうか……
貴「はぁ…はぁ…」
救急病院についた私は、受付で兄のことを話すと、すぐに案内された。
廊下を進むと、『手術中』という赤いランプがついたドアが見えてきた。
看「あちらの休憩所で待っていてください」
貴「わかりました」
近くの自動販売機の横にあったベンチに座って、私は祈るように手を合わせた。
大丈夫、
兄は、きっと助かる。
大丈夫、大丈夫。
握った手に力を込めた。
貴「お願い、お兄ちゃん……」
そのとき、
医「葉山宏平君の身内の方ですね？」
貴「はい」
私はあわてて立ち上がった。
兄は――――――？
貴「あの、兄は……？」
�猝燭吠名�はありません��
その言葉を、期待していた。
医「あちらの病室に移動しました。ですが……」
医者は、暗い顔で、告げた。
医「……大量の出血が原因で、意識がありません。こちらも、できることはすべてしましたが、もう――――――」
貴「……っ!!」
ダッ
言葉を最後まで聞かずに、私は医者を押しのけて、教えられた病室へ駈け出した。
ガラッ――――
貴「お、兄…ちゃん………………っ！」
病室には、頭を包帯で巻かれ、血の気の失せた、兄が横たわっていた。
失血で、白くなった肌は、まるで死人のそれだった。
貴「う…そ……嘘だ…!!」
弱々しい呼吸、固く閉じられた目。
この光景が、夢であれば、どれだけよかっただろう。
貴「いやだよっお兄ちゃん!!」
宏「…………A……？」
え……？
お兄ちゃん？
意識が、戻っ……た？
貴「お兄ちゃん！」
とたんに、涙があふれ出した。
貴「もう、目を覚まさないかと思ったんだよ!?あんまり心配かけないでよバカ兄!!」
宏「…A、また、痣増えてる…ぞ…」
こんな時まで、人のことを心配する。
少しは自分のことも考えてほしい。
貴「私は平気だから……あっ先生に意識戻ったって言ってくる!」
話をそらして、私は病室を出ようとした。
宏「A」
でも、兄に呼び止められた。
貴「何？」
宏「聞いてくれ、俺は――――――
――――――もう、生きられない」
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サクラ(プロフ) - 今書いている作品を１度消して新しい作品を書いてそれを読みたいです… (2018年5月14日 11時) (
レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
古川陽香 - 紫鴛さん» もしかして三章消しちゃったんですか？私、もう少し見たかったです。 (2017年4月30日 7時) (レス) id: 8c15756ff0 (このIDを非表示/違反報告)
古川陽香 - 紫鴛さん» あの、黒バスの三章説目の裏切り小説消さないでください、おねがいします、 (2015年10月11日 11時) (レス) id: a8ae865824 (このIDを非表示/違反報告)
ピンク大好きっ子ちゃん(プロフ) - 絵もうまくて、神作品なのに、私としたことが…気付くのが遅すぎて申し訳ないです…。もう、とにかく、サイコーでっす☆ (2015年1月10日 23時) (レス) id: 69a244a32d (このIDを非表示/違反報告)
コーヒーゼリ子(プロフ) - 二軍トリオと親子が好きすぎて…！！！シオンさん！これからも頑張って下さい！！！！！ (2014年9月25日 6時) (レス) id: 5e1255217b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫鴛 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kiriki/
作成日時：2014年6月1日 19時
