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第百三十六話『体ガ動カナイ』 ページ25

ハッと後ろを振り返るが既に遅し。土人形の強烈なパンチが腹に入った




『……ッ、ガッ……ハッ……ゲホッ、ゲホッ……ハァハァ』




血を吐いてゆっくりと深呼吸をする
少し体を動かすと小さい岩がコロコロと横を落ちていく
壁に背中を打ち付けたらしく相当痛い




ゴン「手荒な真似をして申し訳ございません。しかしこれは……」



敦「芥川!」




敦は全速力で芥川に近づいて体を支えてくれた
すると芥川は体全身に異変感じた




『……体』



敦「……?大丈夫か?」




────体が動かない



そう云おうとしたが、お人好しがパニックになってしまう為、口を閉じた。
腕も足も指一本すら動かせない。自分の体なのにいう事を聞かない




敦「おい!芥川に何をした!?」




鬼の形相の敦が涼しい顔をしているゴンチャロフに向かって問い詰める
因みに羅生門は彼に縛り付けたまま。襲撃されても捕虜を捕えたままだった自分と羅生門を褒めて欲しい。




ゴン「さぁ?私はただ主様からの命令を遂行したまで」



敦「……だからッ!その命令は何の為だと聞いて」



『大丈夫。大丈夫だ、落ち着け敦』




ここで落ち着かなければ相手の思う壷かもしれない
取り敢えず、安心させるようと大丈夫と云い続ける
敦は大人しくなったが、不服そうな顔だ




敦「……立てるか」



『……否、まだ……』



敦「おぶってやる」



『……すまない』




今回ばかりは敦の言葉に従うしかない。全体重が彼に掛かるため負担になるだろうが敦は嫌な顔一つしない




『……貴様、覚えていろ。この借りは必ず返す』




その後、五分も経たないうちに探偵社とマフィアが駆けつけてくれ、ゴンチャロフは回収された





***





とある喫茶店(カッフェ)
太宰は元組合のフィッツジェラルドを連れてドストエフスキーを待ち伏せしていた



坂口が率いる武装した軍警が一人、ドストエフスキーに触れた所為で死亡したが、その他は予想通り───




ド「最後に一つだけ。皆さんに報告を」



太「……何だい?改まって」




厭な予感がした太宰は眉間に皺を寄せて警戒を怠らない




ド「貴方方が喉から手が出る程に欲しがっている彼女(・・)は───」




彼は紫の瞳を濁らせ、うっとりとした表情で話す。


全てを聞き、太宰は血相を変えて走り出した。
フィッツジェラルドは小さく舌打ちをし、坂口は暫く言葉の意味を考え、その場を動けずにいた。


.

第百三十七話『君ハ誰ノモノ』→←第百三十五話『幸福ニ浸ル』



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らしろ(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» コメントありがとうございます。やっと続編に続きます。明日には5を公開できると思いますのでお待ちください!ご愛読ありがとうございます。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 頑張ってください〜待ってますのでー! (2020年3月15日 3時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます。時間に余裕ができれば黒の時代もやりたいなと思っています。ご愛読ありがとうございます! (2019年7月1日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - いつか黒の時代も見たいです…… (2019年6月30日 22時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださると嬉しいです。頑張ります! (2019年6月22日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月22日 17時

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