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第百三十五話『幸福ニ浸ル』 ページ24

ゴン「貴方達がここに来た事自体が主様を理解できない下位存在である証



────“この潜窟を制圧すれば主様を捕えられる”と誰か一度でも保証しましたか?」




その言葉にふと口角が上がる芥川
異様な雰囲気にゴンチャロフは少しだけ眉を顰めた




『実におめでたい頭をしているな貴様は』




自分達がここに来た事がドストエフスキーを理解できていない事だと?
巫山戯るな。此方にはドストエフスキーに負けない頭脳明晰の腹黒包帯野郎がいるのだ。




『僕達が全総力を用いてこの潜窟に来たと思うか?』




目を見開いて驚くゴンチャロフ。
初めて見せる表情に芥川はドス黒い笑みを浮かべた




『幸福に浸っている暇があれば自ら頭を働かせ動くようにしろ、愚者め』



ゴン「……」




何も云わなくなった彼に芥川は溜息を吐く
所詮はドストエフスキーに命令された駒。駒は自ら動くなど不可能だ。ここまで云われたら彼は何も云えなくなるだろう




『……おい人虎、そろそろ』



ゴン「やはり主様は素晴らしい」




この減らず口が、と羅生門をキツく縛る
しかし、ゴンチャロフは満面の笑みでこちらを見上げていた




『少しは黙ることを覚えろ』



ゴン「我が主はもっと先の未来をも予想しています。故にあなた方の言動も全てお見通しなのです」



『聞け』




この世界の住人は人の話を聞かない奴が多すぎる
苛立ちが最高潮になる前に此奴を牢屋にぶち込んでやりたい




『何がお見通しだ。僕の言葉も一字一句、予想しているということか?』



ゴン「ええ、主様ならば可能です」



『莫迦らしい。未だ見ぬ未来の事など予想ができるわけが』



ゴン「あなたならば出来るでしょう?」




その言葉に芥川の言葉が詰まる
自分が未来を予想?……正直、組合編までは出来た。しかしこの先は無理だ。
考える事を放棄したくなるほどに不安でしょうがない




ゴン「あぁなんと嘆かわしいのでしょうか。あなたは今、“恐れ”ているでしょう?」



『……先程から僕を試すような云い方をしているが斬り刻まれたいのか?』



ゴン「真逆?これは主様からの最も(・・)大切な使命の一つ」




────ボゴッ!




敦「芥川ッ!」




敦の声と共に芥川の体は何かによって吹き飛ばされた


.

第百三十六話『体ガ動カナイ』→←第百三十四話『消シ飛バセ』



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らしろ(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» コメントありがとうございます。やっと続編に続きます。明日には5を公開できると思いますのでお待ちください!ご愛読ありがとうございます。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 頑張ってください〜待ってますのでー! (2020年3月15日 3時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます。時間に余裕ができれば黒の時代もやりたいなと思っています。ご愛読ありがとうございます! (2019年7月1日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - いつか黒の時代も見たいです…… (2019年6月30日 22時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださると嬉しいです。頑張ります! (2019年6月22日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月22日 17時

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