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第百二十九話『絶対ニ逃ガスナ』 ページ18

────人救け

それに自分が向いている?そんな莫迦げたことがあるわけが無い




『……つまらん事は云うな。ならば聞こう。貴様は何故、人を救ける?』



敦「それは……助けなきゃいけないと思うから」



『何故?』



敦「……正しい事を為すべきだから」



『……何故?』



敦「……」




しんっ、と静まる空気を壊したのは花袋の焦った声だ
その内容はウイルス異能者を捉えたという報告だった




花「実に近い本当に直ぐ……君達の近くじゃ。これは
────君達の背後距離二米!」




瞬間、敦が芥川を倒す
何かが頬を掠ったと思った時には地面に背中を強打していた




『……っ』



?「ヒキキッ!外したか。だがそれも良し!」




地下組織〈死の家の鼠〉構成員
アレクサンドル・プシュキン
───能力名“黒死病時代の饗宴”






銃を構えて笑う男を睨みつける
追わなければならない、逃がしてはいけない、それなのに身体が重い……




プ「強い異能者が苦しむ顔!弱い俺には最高の娯楽だよ!ヒキキ!」



敦「待て!」




敦が追い掛けるがプシュキンの姿は見当たらない
芥川はチラリと地面に敷いてある線路を見る




『……石炭の荷運車(トロッコ)だ』




近くにあった荷運車を羅生門で運び線路に置く
だるい身体に鞭を打ち立ち上がる




『追うぞ』



一歩を踏み出そうとした時だ。ぐらりと景色が歪む。
気が付くとまた倒れていた




敦「芥川!?」



プ「親御さんに習ったろ?“小さな傷を見くびるな”ってな!」




芥川の目の前に不思議な模様が浮かんだ




『これ……は』



敦「ウイルスの異能……」




これが首領と福沢殿を苦しませている異能か

芥川は重い身体に鞭を打ち、荷運車に乗り込みプシュキンを追い掛けた




━━━━
━━




太「敦君?あぁ漸く繋がったか」



敦「太宰さん!」




敦の端末から太宰の声が聞こえた
彼の話によるとプシュキンのウイルス異能は傷口から感染し、高熱と目眩で直立すら困難になるという




太「首魁たるドストエフスキーは私に任せろ。ウイルス異能者を絶対に逃がすな」




そうだ、逃してはいけないんだ
羅生門を発動させてプシュキン目掛けて攻撃を仕掛けようとするが、全く届かない




敦「おい、芥川!お前無理をしたら……」



『無理などしておらぬ!貴様ももっと……』




云い終わる前に真下の線路が爆発し、地面へ投げ出されたのだった


.

第百三十話『云ッタダロ』→←第百二十八話『人助ケニ向イテイル』



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らしろ(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» コメントありがとうございます。やっと続編に続きます。明日には5を公開できると思いますのでお待ちください!ご愛読ありがとうございます。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 頑張ってください〜待ってますのでー! (2020年3月15日 3時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます。時間に余裕ができれば黒の時代もやりたいなと思っています。ご愛読ありがとうございます! (2019年7月1日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - いつか黒の時代も見たいです…… (2019年6月30日 22時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださると嬉しいです。頑張ります! (2019年6月22日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月22日 17時

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