赤ずきんと森の狼 #月永レオ ページ3
今日は年に一度のスペシャルデー。私にとっては、そこまでスペシャルじゃないんだけど。なぜなら、同じ学年の美人なあんずちゃんと比べられちゃうかもしれないから。
だから演劇部である私はあまり外に出たくはなくて、ステージでセットを広げる。
次の舞台は『赤ずきん』。
台本を、リノリウムが敷かれた床にぽーいっと投げ捨て演技を始める。心の中でおばあちゃんの台詞を再生して。
…それと、『月永先輩が見にきてくれたらなぁ』なんて馬鹿なこと考えて。
( 森の狼には気を付けるんだよ。)
『はい、お母さん。』
『こんにちは、おばあちゃん。その大きな大きな目はなあに?』
( お前の顔をよおく見るためだよ。 )
『その大きな耳はなあに?』
( お前の話をよおく聞くためだよ。 )
『その大きな口はなあに?』
( お前の体をよおく味わうためだよ! )
『何で、わたしは…わたしは、ヒロインになりたかった…』
ばふっとおばあちゃんのベッドにダイブ。ああ、ヒロインが羨ましい。わたしは『白雪姫』や『シンデレラ』じゃないからちょこっとしか
手を天井に伸ばす。それでも届かないように、わたしも先輩に届かないの。
『でも、ちょっとくらい…王子様に近づきたいじゃない…』
先輩の所属するユニット、KnightsのChack mate knightsのサビを歌い終わる…
その時。
ギィィ
講堂の扉が開いた音だ。聞き慣れてるもの。間違えるはずない。
『⁈誰⁈』
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続きます。
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reo@(プロフ) - 莉希さん» あっ、ほんとですね。ご指摘ありがとうございます。修正しました。 (2016年6月25日 16時) (レス) id: 55ad70a60e (このIDを非表示/違反報告)
莉希(プロフ) - オリフラたってますよ (2016年6月24日 17時) (レス) id: bc5faab83d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:reo@ | 作成日時:2016年6月21日 16時