意思 ページ7
【アラン視点】
「優勝者が決まりました! プリンセスキーを手にするのは……」
テレビから聞こえてくる声に耳を傾ける。見ている限りでは、水色と白が多かったようだが……。
教官がぐっと手を握り締めて、画面を食い入るように見つめている。
「パフォーマーA! あなたです!!」
その声が聞こえたとき、教官はまるで昇龍拳を出すかのように飛び上がった。
「やったわよアランくん! これで2つ目のプリンセスキーゲットよぉ!!」
「教官、落ち着いてください……」
いや、そんなことを言っても意味はないな。娘の優勝を喜ぶのは普通のことだ。
テレビ画面には、優勝の喜びに目を潤ませながら、きちんと観客に向かって礼をするAの姿が映っている。
「優勝したパフォーマーAに、プリンセスキーを贈呈します! パフォーマーAは、これが2つ目のプリンセスキーになります!」
盛大な拍手の中、Aはプリンセスキーを受け取って、また礼をした。
「皆さん、本当にありがとうございます!!」
観客席では、Aの優勝を喜ぶ声、Aへの感謝を伝える声が飛び交っている。
ピエールが締めの言葉を告げる間、カメラはずっとAの笑顔を捉えていた。
いい笑顔だ。心が軽くなるような、優しい笑顔。
そのまま中継は終わって、コマーシャルに切り替わった。
録画ランプが静かに消える。
「終わったわね」
「終わりましたね」
教官と俺は互いの顔を見合わせて、ふっと微笑み、自然とハイタッチを交わした。
「不思議よね。自分が優勝したわけでもないし、手助けしたわけでもないのに、なぜかやりきった感じがするの」
「わかります」
この高揚感は、バトルで勝ったときと似ている。
そうだ、あいつのステージを見ていて、思ったことがあったのだ。
「教官、少しいいですか」
「ん? なぁに?」
機嫌のいい教官に、自分の意思を告げる。
「俺、これからシャラシティに行こうと思うんです」
あいつは全力でトライポカロンに向き合っていた。その姿を見ていて、俺もこのままではいられないと思った。
そろそろ、シャラジムに挑戦しに行くべきだと思ったのだ。
「シャラジムね……。確かにあそこのジムリーダーは強いけれど、今の君なら大丈夫なはずよ。自信を持って挑んできなさい」
教官もそう言ってくれたことだし、早速出発するとするか。
「それでは、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
そして、太陽の光が降り注ぐ外へ駆け出した。
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頂志桜(サム)(プロフ) - はじゅさん» お久しぶりです!コメントありがとうございます!逆ギレされるほど気に入ってもらえて、うれしいです(謎) でも、期末の勉強を疎かにしてはいけませんよ〜(と言っている私もテスト期間なので人のこと言えませんが……笑) お互い頑張りましょう! (2018年6月26日 22時) (レス) id: 1b8d8957f6 (このIDを非表示/違反報告)
はじゅ - おかげで期末全然勉強できません!!(こんなに面白い作品をありがとうございます神様) (2018年6月26日 20時) (レス) id: 26f7e5e552 (このIDを非表示/違反報告)
はじゅ - お久しぶりです!もういつまで経ってもなんでこんなに面白いんですか!!(謎の逆ギレ (2018年6月26日 20時) (レス) id: 26f7e5e552 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 深雪さん» コメントありがとうございます!そして、お誕生日おめでとうございます!!実は、このシリーズも今日が誕生日なんです!感慨深いですね〜 (2018年6月12日 21時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
深雪 - きょうはわたしのたんじょうび (2018年6月12日 12時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:頂志桜 | 作成日時:2018年6月9日 15時