検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:14,221 hit

はぐらかされる問い ページ44

フクジさんはゴーゴートを戻すと、私にバッジを差し出してくれた。

「これが勝利の証、プラントバッジじゃ」

「ありがとうございます!」

フクジさんからプラントバッジを貰い、大切にしまっておく。

このバッジは、みんなで勝ち取ったものだ。先発としてアタックしてくれたアステ、ダメージに耐えながら多くのダメージとどくを付与してくれたラル、やどりぎが当たる寸前を狙って避けたり、ゴーゴートの背中が弱点だということを鋭い観察眼と分析力で見抜いてくれたディッフェ。そして後ろから温かい眼差しで応援してくれたツドキとレイア。誰か一人でも欠けていたら勝てなかったかもしれない。

みんな、よく頑張ったね。ありがとう。
心の中はずっとその想いで溢れていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「さて。きみ、このあと時間あるかね?」

踵を返して帰ろうとしたとき、フクジさんに呼び止められた。

「いいえ。戦った三人の回復をなるべく早めにしてあげたいなと思っただけなので、そんなに遅くならないのであれば、大丈夫ですよ」

そう答えると、フクジさんはにやっと笑った。

「心配しなくてもいいぞ。この奥に回復できるところがある。わたしのポケモンたちと共に回復してあげよう」

「ありがとうございます!」

それはありがたい。ご厚意に甘えることにしよう。みんなをすぐに元気にしてあげたいからね。

「では、その間にお茶でもしながら話をしようじゃあないか。A」

「はい! ……って、え?」

あれ、なんで私の名前を……。

それを訊こうとしたとき、その瞬間を狙ったようにフクジさんは奥の方に向かって歩き出してしまった。仕方ないので、私はその後をもやもやした気持ちを持ちながらついていった。


回復できるところというのは、自然に囲まれたこの部屋のことらしい。なるほど、植物の持つ癒しの力で回復の役割を果たしているんだね。確かにここにいると私まで体力回復しそうに思えてくる。何か特別な植物でも植えているのかな。

アステ、ラル、ディッフェはもちろん、ツドキ、レイアもここにいさせてあげることにした。ずいぶん居心地が良さそうで、ここを離れさせるのは可哀想に思ったからね。


そして私とフクジさんは、小さな書斎のような部屋で、向かい合ってお茶を飲むことになった。

「あの、私の名前、どうして……?」

湯呑みを両手で支えながら、改めて訊いてみた。

するとフクジさんはにっこりと笑い、満足げにお茶を啜った。

初耳→←ラストスパート



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.9/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
設定タグ:ポケモンXY , アラン , 長編   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

頂志桜(サム)(プロフ) - はじゅさん» お久しぶりです!コメントありがとうございます!逆ギレされるほど気に入ってもらえて、うれしいです(謎) でも、期末の勉強を疎かにしてはいけませんよ〜(と言っている私もテスト期間なので人のこと言えませんが……笑) お互い頑張りましょう! (2018年6月26日 22時) (レス) id: 1b8d8957f6 (このIDを非表示/違反報告)
はじゅ - おかげで期末全然勉強できません!!(こんなに面白い作品をありがとうございます神様) (2018年6月26日 20時) (レス) id: 26f7e5e552 (このIDを非表示/違反報告)
はじゅ - お久しぶりです!もういつまで経ってもなんでこんなに面白いんですか!!(謎の逆ギレ (2018年6月26日 20時) (レス) id: 26f7e5e552 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 深雪さん» コメントありがとうございます!そして、お誕生日おめでとうございます!!実は、このシリーズも今日が誕生日なんです!感慨深いですね〜 (2018年6月12日 21時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
深雪 - きょうはわたしのたんじょうび (2018年6月12日 12時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:頂志桜 | 作成日時:2018年6月9日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。