先陣 ページ38
「では両者、ポケモンを」
審判の人のその声で、フクジさんはすっとモンスターボールを手にとって、一体目を繰り出した。
その一体目はワタッコ。ふわふわと浮きながら癒しの笑みを振り撒いている。かわいいなぁ。
おっと、相手に魅了されている場合じゃないよね。これはバトルなんだから。
「先陣は頼んだよ！ アステ！！」
「ティニ！」
アステは輝いた瞳でしっかりとワタッコの姿を捉え、やる気を炎に変えて体の周りにたぎらせた。アステ、燃えてるなぁ。
「ほう、珍しいポケモンじゃな。やる気も十分といったところか。
でも、わたしたちに勝てるかな？」
フクジさんとワタッコがジムリーダーとしての威厳を放つ。私たちの目の前に立ち塞がっている壁のように思える……けれど。
「ええ、私たちは負けません！ 勝ってみせます！」
きっと勝てる。みんなを信じて、自分を信じて。
「それでは、バトル開始！」
「先手必勝！ アステ、Vジェネレート！」
「ティニ！」
アステは、その体の周りにたぎらせたやる気の炎とともに、額にV字の炎を灯し、ワタッコに飛びかかる。
「コットンガードじゃ！」
ワタッコの前にふわふわもふもふの綿の塊が出現し、飛びかかっていくアステの勢いをなくそうとする。
「炎をたぎらせて、アステ！」
「ティーニっ！！」
全身に熱を帯びたアステが、綿の中に飛び込む。
一瞬にして綿は燃え尽き、灰が辺りに散らばった。本当に、あっという間の出来事だった。
そしてアステはそのまま、ワタッコに飛びかかった。燃え盛る炎を連れたアステがワタッコに突撃する。
「ワタッコ！！」
ワタッコは盛大に吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられた。しかし、まだ戦えそうだ。コットンガードで防御力を上げたからだろうか。
「まだまだぁ！ ワタッコ、にほんばれ！」
急に日差しが強くなった。明るく眩しくなったフィールド。
一体フクジさんは何を考えているのだろう。日差しが強くなれば、ほのおタイプの技の威力が上がって私たちが有利になるのに。
「チャンスだよアステ、かえんほうしゃ！」
「かわすんじゃ！」
アステが放ったかえんほうしゃが、ことごとくかわされていく。ワタッコの素早さがさっきとは段違いだ。
そうか、このワタッコの特性はようりょくそで、さっきのにほんばれはこのためなのね。
時間をかけてこっちがバテるのを待っているみたい。でも、そんな思い通りにさせるものですか。
「アステ、ねんりきでワタッコの動きを止めて！」
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頂志桜(サム)(プロフ) - はじゅさん» お久しぶりです！コメントありがとうございます！逆ギレされるほど気に入ってもらえて、うれしいです(謎) でも、期末の勉強を疎かにしてはいけませんよ〜(と言っている私もテスト期間なので人のこと言えませんが……笑) お互い頑張りましょう！ (2018年6月26日 22時) (
レス) id: 1b8d8957f6 (このIDを非表示/違反報告)
はじゅ - おかげで期末全然勉強できません！！（こんなに面白い作品をありがとうございます神様） (2018年6月26日 20時) (レス) id: 26f7e5e552 (このIDを非表示/違反報告)
はじゅ - お久しぶりです！もういつまで経ってもなんでこんなに面白いんですか！！（謎の逆ギレ (2018年6月26日 20時) (レス) id: 26f7e5e552 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 深雪さん» コメントありがとうございます！そして、お誕生日おめでとうございます！！実は、このシリーズも今日が誕生日なんです！感慨深いですね〜 (2018年6月12日 21時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
深雪 - きょうはわたしのたんじょうび (2018年6月12日 12時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2018年6月9日 15時
