是非に及ばず ページ30
｢…どう、する…？｣
その圧倒的な魔力の元は間違いなくあの血に濡れた巨人なのだが、迂闊に手を出しがたい。
思わず二の足を踏んでしまう。
しかし、魔王は落ち着いて指示を飛ばした。
｢…フール、お前はまず周辺に散らばってる分を頼む｣
｢うん、わかった｣
フールが頷き、バリアから飛び出して大地魔法の詠唱を始める。
魔法の才に優れているとは言い難いが、それでも効果は十分だ。
｢オシスト、行けるか？｣
｢…厳しい、ですね…戦力にはなれなさそうです…｣
｢そうか…ワイドの奴も呼んできてくれ。血が相手ならアイツも太刀打ち出来るはずだ｣
｢っ、はいっ！｣
その頼みに応じ、オシストが再び転移してその姿を消す。
そしてマールドは東矢に向き合い、その瞳を一瞥した。
｢…行けるな？｣
確信めいた、信頼に満ちた瞳。
そんな眼で言われれば、東矢にら選択の余地などなかった。
｢…あぁ！もちろんだ！｣
｢ははっ、やっぱりアンタ“勇者”だよ｣
｢お、おう…？｣
マールドの言うことはよくわからないが、少なくともせねばならないことは見えた。
すくむ足を止め、眼前に見えるそれをしっかりと見据える。
マールドも同様に、いつでも飛び出せる態勢を保っていた。
｢…行くぞ！｣
｢おう！｣
その掛け声と同時、勇者と魔王は跳んだ。
大地を力強く蹴り飛ばし、その反作用で宙へと飛び込んでいく。
そこには未知と危険に対する恐怖なぞない。
漢達は勇み、それぞれの獲物を手に取った。
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クロロフィル＠リーフィア狂/あるりーす(プロフ) - 朱欄さん» ありがとうございます！これからも更新頑張りますね！ (2023年1月14日 20時) (
レス) id: c1253398fc (このIDを非表示/違反報告)
朱欄(プロフ) - Banana is Kami(作品最高です!キャラデザがすごく好きです!特にワイドちゃんがかわいい←あ、星押しときますn(() (2023年1月14日 20時) (レス) @page3 id: efb6a7397d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ：http
作成日時：2022年12月29日 21時
