うちの子達で魔王パロ

初の共闘 ページ31

｢努力ある者に祝福を…ノーブルグリーンッ！｣

初手に変身し、その銃を強化する。

｢東矢！｣
｢あぁ！｣

それぞれの獲物から放つ飛び道具の準備を行う。
構えられた拳銃、引き絞られた弓矢。

それぞれに魔力を込め、先制攻撃の準備をする。

そして、解き放った。

｢｢はあっ！｣｣

東矢から放たれたのは流星の如し弾丸。
マールドから放たれたのは稲妻の如し矢。

その二つが混じり合い、雷鳴を纒いし星屑が血の巨人目掛け飛んでいき、その真っ黒い体に突き刺さった。

｢…!?｣

声にならない叫びをあげるそれの体に、魔力が駆け巡りその体を焼く。

確かにその体はブラッドゴーレムの名に相応しく血で出来ており、物理攻撃は一部の例外除き通用しない。

だからこそ、似たような性質を持つ目の前の脅威を魔法で焼くことにしたのだ。

｢…効いてる、っぽいな｣
｢だな、被害が広がる前に仕留めるぞ｣

それは地上に存在するだけで大地を汚染し、その跡に植物一本さえ残さない死んだ土地を生み出してしまう。

その小ささ故に被害の軽微かつ微弱なブラッドゴーレムとは違い、目の前のそれは明らかに大きく、かつ強力である。
だからこそ、早急に討伐せねばならない。

｢…！｣

そして、巨人はゆっくりとこちらに振り向き、その深い深い底無し沼のように暗い眼孔がこちらを向く。

｢…！｣

声にならない低い低い咆哮が響き渡り、辺りに生活していた動物が竦み上がる。

｢…気合い入れるぞ｣
｢あぁ！｣

互いに鼓舞し合い、その脅威へと立ち向かっていく二人。
魔王と勇者の、初めての共同作業となった。

血の巨人→←是非に及ばず

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