内緒にしてること《太宰治》

内緒 ページ9

太宰side

幸い、Aの家から学校までは自転車ですぐ着くところだった為、一時限目が終わる前には学校に着いた。


無言でドアを開け、教室に入ると


「遅刻か太宰ぃ！！」

と声が。 あぁ、くぅにきーだ先生の授業だったんだ。

「遅刻ですねぇ。」

「どうして遅れたんだ？」

「来る途中で気分が悪くなっていたAちゃんを助けていて遅くなりました。彼女は今保健室に居ますよ、」

ニコリと笑いかけながらいう。

すると、先生はそうか、大変だったなと言って、また授業へと戻った。


ま、ほんとは違うんだけどね


そんなことを思いながら席へと向かっていると、
太宰くんかっこいー、とか、津島さんいいなー助けてもらえて、とかいう声が聞こえて来る。


中也に至ってはこちらを凄い顔でみている。
絶対嘘だろってオーラがぷんぷん出てるし

苦笑いしながら席へとついた。


さあ、退屈な授業でも受けるかな。








＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

同じ頃


「どうせ嘘なんだろう？気分が悪いっての。」

『内緒にしといて！晶ちゃん先生ー』

私は保健室にいた。
多分今頃は治がどうにかしといてくれてるだろう。


あ、晶ちゃん先生とは保険医の与謝野晶子 先生のことだ。

私は度々保健室を訪れては、ガールズトークをしている。

その為、他の生徒よりは先生とは仲がいいはずだ。

ちなみに先生は私と治の関係を知っている数少ない人の1人だ。

「で、昨日はお楽しみになったのかい？」

ニヤニヤしながら聞いてくる。

『いや、流石にね、しないよ。ただ、ギュってしたくらいかな。』


「なぁンだ、つまんないの。」

ちぇっ、と舌打ちしながら呆れた顔でいう。

『そういう先生はどうなの？彼氏できた？』

「出来るとでも思ってんのかい？」

『うん。だって先生可愛いもん。』

「もーほんとA好きだよ。アンタほんといい子だね。」


今日も平常運転

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