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彩side

私は黙って祐飛の話を聞いていた

そんな私を真っ直ぐ見つめて言葉を紡いだ

「だけど、真夜様に助けられたんだ。

真夜様がふらりと俺達が居た養護施設にやってきた。

真夜様は紗姫の事を気にいって

紗姫も自分の過去を話せるまで親しくなっていたんだ。

ある時、真夜様が言った。

『私の家に来ない?』って。

その時、打ち明けられたんだ。

真夜様が立花財閥の会長だって。

俺ら3人はいつも一緒に行動してたから

真夜様とも少しだけ親しかった。

真夜様が紗姫をメイドとして雇いたいと言ったんだ。

俺と蓮はもちろん祝福した。

ここたら抜け出すのが紗姫の夢だったから。

だけど紗姫は断固として反対した。

それは俺達と一緒じゃないからって。

真夜様はその願いを承諾したから

3人揃って養護施設を出れた。

これが、俺達が今ここにいる経緯」

私はデスクから立ち上がり、祐飛が座ってる

ソファの正面に座った

「何で今、その話をした?」

「彩の専属執事になるならこの話をしておいた方が

いいと思って。

さっき2人と話し合って決まったんだ」

「なら1つだけ聞く。

お前らは今の生活で幸せか?」

祐飛は迷う事なく頷いた

「当たり前だ。

あそこにいたままだったら

俺達は希望も何もかもを失う所だった。

そこから、真夜様が救い出してくれた。

感謝しきれないぐらいだ」

祐飛の表情はとても穏やかで

嘘をついているような素振りは微塵も

感じられない

あいつの事、本当に慕っているんだな

私はふっーと息をはき出した

「お前、その話をして私が3人の事

嫌いになるとでも思ったのか?」

祐飛が目を見開いた

「そうだけど・・・。

何でそんな事分かったんだ?」

「それぐらいわかるっつーの。

紗姫と蓮も出てこいよ。

隠れてるのバレバレだぞ」

こういうと紗姫と蓮がドアを開けて出てきた

「バレてたのか」

「ん。

バレバレ」

「上手く隠れられたと思ったのに」

紗姫が残念そうに肩を落とした

「話がズレたけど、お前らの過去を聞いたぐらいで

私は3人の事嫌いにはなんないぞ。

私はそういう事、経験した事はないけど

お前らの気持ちなら分かってるつもりだ。

どれだけ悲しく、辛い過去を持っていても

3人は、3人だろ」

3人は一度顔を見合わせ同時に

「「「ありがとう」」」

といった

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作者名:天奏 | 作成日時:2018年12月19日 15時

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