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30.バレンタイン ページ30

「志野ちゃん。買い物に行かなくて大丈夫?」

「?なんでですか?」

「だって冷蔵庫の中が寂しいから」

「そうですか?食材はちゃんとありますし、これだけあれば2〜3日持ちますよ」

「ご飯のおかずはね。志野ちゃんは間食とかしないの?」

「職場でします。買ってきても一人で食べるには量が多くて食べきれないので」

「そうなんだ。へぇ〜。」

今日は織部さんが分かりやすくソワソワしている

でも、それが正直面倒くさい


「織部さん。バレンタインは明日ですよ?」

「なっ!!?ばっ…バレンタインとか…べっ…別に意識してないし///」

織部さんは照れ隠しをしているようだが、全く隠しきれていない


「本当ですか?」

「当たり前だよ。僕は今までバレンタインにチョコをもらえなかった経験が無いからね」

織部さんは強気になるためにとっさにそんな事を言ってみせたのだろうが

「じゃぁ…私からのチョコなんかいりませんよね?」

それは同時に私を弱気にさせる言葉でもあった


「そんな事ないよ?志野ちゃんからもらうチョコが一番…」

「もういいです。聞きたくありません」

私は織部さんを玄関まで押しやり、脱いでいた上着を投げつけた

「もう帰ってください。顔も見たくない」


織部さんに酷い事をしたとは思っている

でも、こんな些細な出来事で不安になって、泣いてしまう情けない自分を見られたくはなかった

織部さんに渡すはずのバレンタインのチョコはもちろん手作り

もう出来ているのだが、織部さんにバレないように職場に隠してある

「どうせ他の子からもらえるんだ。私より上手で美味しい物とか、高価なものとか。
だから私のなんかなくても…明日職場の皆で食べてやる」


翌日

玄関開けたら織部のチョコ

「はぁ!!?」

「おはよう」

織部さんの実物大リアルチョコ像だと思っていたが、実際は全身にチョコを塗りたくった織部さんだった


「何考えてるんですか?」

「志野ちゃんへのバレンタインプレゼント」

逆バレンタインに私は喜ぶどころか、織部さんを白い眼で見つめる事しか出来ない

「なんでまたこんな事を?」

「僕は志野ちゃんのチョコしか欲しくないけど、他の子のも断る事も出来ない。
それで志野ちゃんを不安にさせるなら、僕が志野ちゃんだけのものって証明しようと思って。
残さず僕を食べてくれる?」

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作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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(プロフ) - 13日の金曜日さん» あっ。正解w元は鬼灯で書いてたものを引用して名前変えだけですからw (2015年7月28日 19時) (レス) id: 50aca512b0 (このIDを非表示/違反報告)
13日の金曜日 - 白澤とか唐瓜とか出てきて鬼灯○冷徹かと思った自分を殴ってやりたくなる、今日この頃 (2015年7月28日 14時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2015年5月9日 5時

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