検索窓
今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:38,331 hit

29.七夕 ページ29

店に来てくれたお客さんに一つ

「短冊をどうぞ。何、ちょっとしたサービスですよ」

願い事を書いてもらって、店の笹に飾りつける

人の願い事は見ていて楽しい

金銭的な願い事

恋愛成就

「七夕って出張神社のようなものなんか?」

他人の願い事を盗み見て疑問を抱く


「神頼みはあかんなぁ〜」

「そう言う檎の願い事は何なの?」

「うおっ!!?志野おったんか!?」

「うん。大人の書く願い事はどうも汚く感じるね」

「そうか?」

「そうだよ。子供の書いた願い事はとても可愛いよ。
背が伸びますようにとか、テストの点が上がりますようにとか」

「大事な願い事をそんな事に使ってどうする?」

「子供にとってはそれ以上に大切な事なんて無いからじゃない?」

「子供は幸せだな」

「で、織部の願い事は何なの?」

「内緒」

「なんで?」

「人にばれたら叶わなくなってしまうからのぉ〜」

「何それ?だったら短冊書けないじゃん」

志野はケラケラと笑いながら手に持っていた短冊で口元を隠す


「志野の願い事はなに?」

「内緒だよ。だって叶わなくなったら困るから。
って言っても、毎年おんなじ願い事してるんだけどね」

「毎年同じ?ってことは願いは叶っとらんのか?」

「逆だよ」

「逆?」

「毎年叶ってるから、織姫と彦星のおかげだと思うと願い事を変えられなくなっちゃったんだよ」

「へぇ〜。それは尚更知りたくなる」


織部は志野の短冊を奪い取ろうとしたが、見事に行動を読まれて短冊を隠されてしまった

「織部の願い事を教えてくれるならいいよ?」

織部が「それは…」と言って困ったように頭を掻いていると志野は「じゃあいいよ」とすんなりと諦めた


「その代わり、私の願い事が皆に見られないように高い所に縛っておきたいんだ。
織部肩車してくれる?」

織部はそこまでするか?と思いながらも、文句も言わず志野を肩車してやる

「ありがとう」


志野が去った後、織部は笹のてっぺんにつけられた短冊を見る

「クリスマスじゃあるまいし…てっぺんって…しな垂れてるし」

生暖かい風が吹き込む7月の夜

ゆらゆらと揺れる短冊の頂を陣取る志野の願い事は


『織部とずっと一緒にいられますように』


それを見た檎は「安っぽい願い事」と笑いながら

『今年こそ志野と付き合えますように』

と言う自分の短冊を破り捨て

志野に願い事を教えに行った

30.バレンタイン→←28.年越し



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
設定タグ:名前変換 , オリジナル , 短編集   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 13日の金曜日さん» あっ。正解w元は鬼灯で書いてたものを引用して名前変えだけですからw (2015年7月28日 19時) (レス) id: 50aca512b0 (このIDを非表示/違反報告)
13日の金曜日 - 白澤とか唐瓜とか出てきて鬼灯○冷徹かと思った自分を殴ってやりたくなる、今日この頃 (2015年7月28日 14時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2015年5月9日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。